80話 出陣!
狩武たちは地下の駐車場にいた。
天真たち天使もいる。
「総理大臣の誘拐は失敗したのかよ…。だらしねぇ…、そんなんでこの世界を支配するつもりか?」
と森島聖弥は天真に言った。
すると牙斐矢が聖弥に言った。
「あっちには裏切られし小悪魔 デリットと村上漢頭という悪魔武器の使い手がいた。なかなかやる奴らだ。今度はお前たちも同行してもらうことにしよう。天使諸君」
「で?総理大臣はどこにいるのです?」
とピエーヌが聞いた。
「今から探す…」
と牙斐矢は言い、目を閉じた。
すると牙斐矢の目の瞳が無数に増えた。
「…………日本国内ホテルだ。警備員もウロウロしている。目立たない夜中に潜入したほうが良さそうだ」
と牙斐矢は言い、目の瞳が元に戻った。
「いや、昼に行く」
と狩武が言った。
「なぜ昼に行く?確実に警備員に発見されるぞ」
と天真は狩武に聞いた。
「警備員どもはこちらの数を俺とピエーヌと牙斐矢の三人で予想しているはずだ。なら、わざと俺たち三人は見つかり、その間にお前たち天使は天皇陛下を誘拐しろ。警備員は殺してもいい」
「了解」
と牙斐矢だけは言い、狩武たちはホテルに向かって歩き出した。
そのころ、
僕たちは電車に長い間乗り、総理大臣の屋敷にたどり着いた。
ゼルキルムはさすがに姿が悪魔なので、人目がつかぬよう、空を飛んでいた。
何百という数の警察がうろついていた。
「総理大臣はどこに行ったんだ…?」
と朱希羅は言った。
「あの方々なら、ホテルに行ったよ。ここは危ないからねぇ」
と知らないおじさんが車の中から話しかけてきた。
「ん??どちら様ですか…?」
と僕は知らないおじさんに聞いた。
「あぁ、そうだねぇ。自己紹介しないとねぇ。ワシの名はダガン。アメリカ育ちの老いぼれだよぅ」
とおじさんは言い、僕は聞いた。
「あの…ホテルってどこですか…?」
と僕はおじさんに聞いた。
「ワシの車に乗れ、連れて行ってやる」
とおじさんは言い、車の窓を閉めた。
「どうする?もしかしたらこれって誘拐?」
と真司は僕に聞いてきた。
「大丈夫だろ、もし誘拐だったとしてもこっちには悪魔武器があるし」
と僕は答えた。
そのまま、僕たちは会議していたが、またおじさんが車の窓を開け、僕たちに聞いた。
「どうした?狩武から悪魔の継承を取り戻したくないのか…?」
「えっ!?」
と僕は思わず言ってしまった。
なぜ、このおじさんは狩武と悪魔の継承のことを知っているのだろうか…?
僕たちはそのおじさんを信じて、車に乗り込んだ。
車に乗り損ねたゼルキルムはそのまま空を飛び、僕たちの乗った車について行った。
そのころ、
日本国内ホテルの裏に狩武たちがいた。
狩武は天真たち天使とピエーヌと牙斐矢に言った。
「さぁ、作戦開始だ…!!」