79話 解けない契約
「解けにくい…?一体それはどういう意味…?」
と僕はレアルに聞いた。
レアルは首を横に振って答えた。
「今は言えない。いや、もしかしたらずっとな…」
「なんでさ!俺はお前の呪憎裏ていうのを解きたいんだ!」
と僕はレアルに言った。
レアルはさらに首を振って言った。
「ダメだ!アタシの呪憎裏は解いてはいけない!!すればこの世界は…消えてしまう」
「なっ…!?消える…!?一体なんで?っていうか呪憎裏って何…!?」
と僕は聞いた。
レアルはその夜、全てを僕に話してくれた。
呪憎裏というのは魔神に選ばれし三悪魔と魔神がした約束…すなわち契約のことを言う。
その契約とは、呪いや憎しみや裏切りから救う、すさまじい力を与える代わりに成長を停止させることなのだ。
なぜ、レアルは自分の呪憎裏を解いてはいけないと言ったのかというと、レアルの契約は特に重く、解いてしまえばレアルの中に入る魔神が復活するからだという…。
午前4時00分。
デリットと狩武の戦いはヒートアップしていた。
ピエーヌは戦闘せず、狩武の戦いを見ていた。
村川漢頭は狩武に言った。
「そろそろ天皇陛下のご非難も終わったな。待っているがいい!今、この屋敷に特殊奇襲部隊が到着した!お前たちはもう、袋のネズミだ!」
すると、
誰かが頭から血を出している特殊部隊の一人を引きずりながら現れた。
「その袋なかのネズミは、また新たなネズミを呼び、袋を破る」
と誰かは村川漢頭に言った。
現れたのは吉田牙斐矢だった。
「お前は…牙斐矢!悪魔界では最強の人間と言われている者か…!!」
とデリットは牙斐矢に言った。
「遅かったな、牙斐矢。天真たちはどこにいる?」
と狩武は牙斐矢に言った。
「天皇陛下を捜索中だ。特殊部隊ってのは全員死んだ。頭骨を破壊した」
と牙斐矢は狩武に言い、デリットを見た。
「裏切られし小悪魔 デリットか…」
すると狩武はピエーヌと牙斐矢に言った。
「もう退くぞ。天皇陛下がいなければ意味がない」
そう言うと、狩武たちは屋敷から消え去った。
次の日の朝、
僕の部屋に真司やマースさんや黒鳥、それに朱希羅やゼルキルムやレアルが集結した。
もちろん部屋はギュウギュウ。僕たちは家を出発し、狩武の捜索を開始した。
まず、狩武を止めるには悪魔の継承を取り戻さなければならない。
そんなことを考えていると、風とともに新聞が飛んできた。
僕はその新聞を拾い、記事を見た。
その記事は天皇陛下の屋敷に何者かが侵入!?と書いてあった。
写真もある。僕はその写真に写っている男の人を見た。
…狩武だ。間違いない。
さらに天皇陛下は無事という文字も発見した。
僕は気づいた。
また狩武は天皇陛下を狙うのではと…。
僕たちはとりあえず、東京の天皇陛下の屋敷に向かった。