7話 新しい家族!?
ここは人間界。
悪魔界から戻ると外は日が暮れていた。
レアルは明日の午後まで悪魔界にいるそうだ。
僕はリビングいい匂いがしたので、リビングに駆け降りた。
母さんが晩御飯の準備をしていた。
僕は母さんに「今日の晩御飯はなに?」と聞いた。
母さんはただ一言。
「カレーよ。」と言った。
僕の気分はハンバーグだったがカレーでもいいかと思い部屋に戻ろうとしたとき、
ピンポーンと音がした。
「誰かしら?」と母さんは言う。
僕は「はい?」と言ってドアを開けると、そこにいたのはマースさんだった。
「マースさん!なんでここに?」
と僕は聞いた。
マースさんには僕の住所はおしえていない。
するとマースさんは、
「実は俺、泊まる場所がなくてな、この前まで公園で寝ていたんだが、
虫がいるわ、警察に怪しまれるわで苦労が多くてな…。」
まさかマースさん、僕の家に泊まるためにき来たのでは?
と思った僕だった。
すると母さんが言い出した。
「今まで公園にいたの?入りなさい。お父さんの部屋が空いてるからそこで寝たらいいわ。」
僕はあれっと思った…。
いつもより母さんの口調がやさしいような…。
マースさんは「ありがとうございます」と言い、家に入った。
やがて夕飯を食べていたころ、マースさんが僕に話しかけてた。
「あの後いろいろ考えたが、やはり悪魔に対抗するには悪魔武器が必要不可欠だ。
飯食ったらすぐ悪魔界に行こう。」
僕はすべて話した。
「あの…一応手に入れはしたんですが…。」
僕は悪魔の継承という骨の腕輪を見せた。
マースさんは「それか…?」と言って、じっと見つめていた。
お母さんが口を突っ込む。
「二人とも仲いいわねぇ~。悪魔武器ってなに?ゲームの話?」
考えてみたら僕は母さんの目の前で悪魔の話をしてしまった。
まぁゲームと思っているならいいか。
マースさんはトイレ借りますと言ってトイレに行った。
母さんが僕に行った。
「ねえ、マースさんってイケメンねぇ♡」
僕は気づいた。
なるほど、母さんの口調がやさしかったのはこのことだったのか。
そして次の日。
朝起きたら僕の頭の上に黒猫が乗っかっていた。
「ニャ~オ」と鳴き、マースさんの胸ポケットに入って行った。
「やっと起きたか。」
とマースさんは言った。
なにやら部屋の飾りつけをしているようだ。
「なにしてるんですか?」
と僕はマースさんに聞いた。
「知らないのか?今日はレアルのバースデーパーティーだぜ。」
と言った。
「へぇ~。レアルの誕生日か~。
えっ!?レアルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?」
僕は初めて知った。
悪魔にも誕生日があったなんて…。
あれ?
マースさんってレアルのことが見えるのか?
と思った僕だった。
母さんは買い物に行っていた。
午後にレアルは帰ってくる。
今はAM10:46だ。
僕たちは飾りつけも順調に進み、
後はレアルが黒い箱から出てくるのを待つだけだ。
僕とマースさんは二人でクラッカーを黒い箱に構えて待機している。
すると箱が揺れた!ということはレアルが帰ってきたのだろう。
やがて箱のふたが開き、レアルが中から出てきた。
僕とマースさんは「誕生日おめでとー!!」とレアルに向かってクラッカーを鳴らした。
するとレアルは思いもしなかった一言を放った…。
「えっ?アタシの誕生日は明日だぞ…。」
僕とマースさんは同時に「えぇっ!?」と言う。
レアルはバカにした顔で言った。
「くだらないことしていないでさっさと悪魔の討伐に行くぞ。」
と言って家を出て行った。
僕は心の中で思った…。
はぁ…せっかくのサプライズが台無し…。