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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第4章 願いの戦争
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73話 受け継がれた眼

「生き返らせる…!?そう言ったのか…!?」

と僕は父さんに聞いた。

「あぁ、それ相応のリスクがあるがな…」

と父さんは真司の腹を触って言った。


「今、真司の内臓はゴチャゴチャになっている。それを俺の中にある全パワーを使い、重力で内臓を元の形に戻す。そして空気を動かし真司の心臓の中に積み込む。そうすれば真司の心臓は再び起動する」

と父さんは言い、パワーを集中させた。


「そんなこと…本当にできんのかよ…?」

とマースさんは信じられないような顔で言った。

「………」と僕は無言で父さんを見ていた。


そのころ、

狩武と朱希羅の戦いは、朱希羅が絶体絶命になっていた。

しかし、狩武は攻撃を止め、朱希羅に言った。

「お前と戦っても時間の無駄だ…お前の相手はまた今度だ…」

そう言うと、狩武は黒い稲妻とともに消えた。


それはピエーヌや天使たちも同じでみんな退散してしまった。

「あらら…時間がありませんね…これで失礼します」

とピエーヌは言い、クルクル回って消えてしまった。


ゼルキルムと戦っていた天使たちも光と共に消えた。

「ちくしょう…!!逃がしたか…!!」

とゼルキルムは工場跡地で独りぼっちになってしまった。


そのころ、

病院では真司の身体がもぞもぞ動き出した。

きっと内臓が動いているのだろう…。考えて見るとけっこうグロイ。


2分ぐらいしてから父さんは椅子に座って言った。

「ハァ…、ハァ…。よし…、これで…内臓は元に戻っただろう…」

「そんなに体力使うのか…?」

と僕は父さんに聞いてみた。

「ハンパないぞ…。内臓を1ミリでもずらしたら…ゲホゲホッ……ダメになる。…それに弾丸で貫かれた穴も…修復しなきゃいけないからな…。まぁ、あとは…心臓に空気を送り込むだけだがな…」

と父さんは言い、再び立ち上がり、今度は真司の胸を抑えた。


「隼人…よく聞け…」

と父さんは僕に言ってきた。

「ん?」

と僕は父さんの方を見て言うと、衝撃的なことを言ってきた。

「この重力の力を使うと寿命がだんだん短くなっていってな…。俺の命もあと数分と持たない…」

「なっ!?そんな…!!」

と僕は言い、父さんの方を見て言った。

「じゃあ止めろよ!!父さん…!!あなたが死んじゃう!!」

しかし、父さんは言い続けた。

「いや、もう死ぬのはとっくに覚悟していた…。いいか、俺が死んで、真司が生き返ったあと、俺のこの悪魔の邪眼グラヴィレイをお前の眼に移植しろ…」


「んな…!?なんで移植なんか…!?」

と僕は父さんに聞くと、父さんは答えた。

悪魔の邪眼グラヴィレイっていうのは…、もともと松田家に受け継がれる秘宝だ…。秘宝と言ってもただの目玉だが…。俺のすべてをお前に託したぞ…隼人…」


「そんな…!!マジかよ…!!やっと父さんってわかったのに…すぐに死んじゃうのかよ…!!」

と僕は泣いた。

「おっ…そうだ…。お前に言わなければならないな…。俺の悪魔の邪眼グラヴィレイは左眼しかない…。だが、右眼もそろったとき、重力を使っても寿命は減らなくなる…永遠にな…」

と父さんは言った。


「その右眼の悪魔の邪眼グラヴィレイっていうのはどこにあるんですか…!?」

とマースさんは父さんに聞いた。

「悪魔界の…ボロイ病院だが…そこに…右眼が…ある…」

と父さんの意識はだんだん薄れていった。

しかしボロイ病院って…どこかにあっような…?


父さんは最後の力を使い言った。

「隼人…母さんを…守ってくれ…。俺の唯一、愛した女性だ…」

「もちろんわかってるぜ…」

と僕は涙を流しながら言った。



父さんはふと思った。

《隼人…お前は…俺の意思を受け継いでくれるのだろうか…?狩武を止められるのは…世界でお前だけなのかもしれない…。俺は…お前の父さんは…お前に全てを託す…。これは…別れじゃない…またいつか会えるからな…。だから…その日までの…さよならだ………》



そのとき、

父さんがいきなり倒れ込んだ。

それと同時に真司は目を覚ました。

「俺は…一体…」

と真司は言っていたが、お前は死んでたんだぞと言うと混乱状態になるため、あえておしえなかった。


その後、

僕は医者に眼の移植を頼み、なんとか許可をもらい手術した。

そして、

移植に成功し、僕たちの目的は決まった。


今から悪魔界のボロイ病院に行き、右眼を移植してもらい、

狩武たちと天真たちを見つけ、彼らの野望を阻止すると…。




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