72話 病院に向かって…!!
ピエーヌを相手に絶体絶命だった僕と黒鳥とマースさんの前に、
呪われし小悪魔 レアルが現れ、僕と黒鳥とマースさんは再び病院に向かって走り出した。
一方、
工場跡地ではゼルキルムと天使の三人が戦っていたが、ゼルキルムが圧倒していた。
病院に続く道の途中で父さんと狩武が戦っていたが、朱希羅が現れ、父さんは真司を背負って病院の中へと入って行った。
狩武は朱希羅を睨み言った。
「少しは楽しませてくれよ…?」
そう言うと、狩武の爪が黒く鋭く伸びた。
「なっ!?怪物かこいつは!?」
と朱希羅は驚き、襲い掛かってきた狩武に悪魔の鉄拳で対抗した。
しかし、朱希羅はパワー負けし、地面に倒れ込んでしまった。
悪魔の鉄拳には悲惨な傷が残っていた。
「この鋼鉄の拳に傷をつけるとは…なんつう切れ味だ…あの爪…」
と朱希羅は傷を見て言い、狩武に聞いた。
「おしえろ!!なんでそんな力があるのに大切な人のために使わない!?お前には大切な家族や仲間はいないのか!?」
と朱希羅は必死に聞いたが、狩武は冷たく答えた。
「そんなものはいない。人間は自分のためなら何でもやる存在だ。ブラックホールに巻き込まれた、哀れな弟にも言ったが、人間は自分を第一に考え、欲が減らない生き物だ。だから戦争が起きる。今、お前たち悪魔と天使が戦っている理由は、レティアに願いを叶えてもらうためではないのか…?」
しかし、
「レティアって誰だ…?」と朱希羅は言い、頭をかしげた。
そう、朱希羅は天使と悪魔の戦争のことは知らないのだ。
しかし、朱希羅は狩武に言った。
「確かに、その戦争はレティアって奴に願いを叶えてもらうための戦いだったかもしれない。けど、隼人は自分の欲のために戦いなんてしない。あいつなら平和という願いを言うはずだ!」
「平和だと…!?」
と狩武は聞いたとき、朱希羅は答えた。
「そうだ。お前と違い、あいつなら平和を選択したはずだ…!!」
そのころ、
僕たちは病院に向かって走っていたが、走っている途中、朱希羅と狩武が戦っている姿が見えた。
「止まれ!」
と僕は二人に言い、道のど真ん中に立ち止った。
「これは他の道から病院に行くしかないな…」
とマースさんは言い、Uターンしたとき、黒鳥が言った。
「道なんて探してる暇はない!草むらを走るぞ!」
そう言うと、僕たちは茂みをバキバキ破壊しながら病院に向かって走って行った。
ピエーヌとレアルの戦いはますます激しさを増していた。
レアルの口から巨大な手が現れ、その手はグーの形でピエーヌに飛んで行った。
しかし、ピエーヌはひょいっと避け、おでこの模様が赤い♥になり、ピエーヌの口から真っ赤な炎がレアルに飛んで行った。
しかし、
レアルの口の中から出てきた巨大な手はパーの形になり、炎を防いだ。
炎が消えたとき、巨大な手はレアルの口の中に戻って行き、ピエーヌのおでこの模様は青い♦に変わった。
「大洪水だ!!」
とピエーヌは叫ぶと、ピエーヌの口の中から大量の洪水がドバっと流れ出した。
レアルは洪水をまた口の中から巨大な手を出し、防いだ。
なんとも口からゲロゲロと気持ち悪い戦いだ…。
そのころ、
病院に駆け付けた僕たちは父さんと真司を探した。
探した結果、ある病室のベッドの上に真司が寝ていて、父さんが真司の前にいた。
「父さん!真司は無事なの!?」
と僕は聞いてみたが、父さんは首を横に振り言った。
「息は無い…医者の診断によると、内臓がゴチャゴチャになってるらしいからな…」
「そんな…!!俺のせいだ…俺が真司を戦いに巻き込んだから…!!」
と僕は絶望したとき、父さんは僕に言った。
「今から真司を生き返らせる。少し離れていろ…」
「「「えっ!?」」」
と僕たちは一斉に父さんに向かって言った。