71話 集結する者たち
「マークフォン・ピエーヌ…?一体こいつは何なんだ…?」
とマースさんは死神の黒剣を持って言った。
ピエーヌのおでこには赤い♥のマークがあった。
「ワタシを倒すことなんて、不可能ですよ。人間諸君」
とピエーヌが言ったとき、おでこの赤い♥の模様が、黄色い♠に変わった。
「おでこが変わった!」
と黒鳥が言った瞬間、ピエーヌの口から電光がマースさんに向かって飛んだ。
「ぐああああ!!」
とマースさんは感電し、そのまま地面に倒れ込んだ。
「マースさん!!」と僕は言い、マースさんに近づいた。
「殺さない程度にしときました。殺されたくなかったら、黒鳥とマースの悪魔武器をワタクシに渡しなさい」
とピエーヌは言い、僕たちにズンズン近づいてきた。
一方、
ゼルキルムと天使たちの戦いでは、ゼルキルムが完全に圧倒していた。
何故なら天使たちはほとんど体力切れしていたからだ。
「くっ…、あの悪魔…強い…!!」
とセレシアがゼルキルムを見て言ったとき、ゼルキルムは自分を指差して言った。
「当たり前だ。俺は二代目悪魔王を倒した者だからな!!」
そのころ、
病院へ続く道の途中で狩武と父さんが戦っていた。
父さんは血をダラダラ流し、絶対絶命になっていた。
そのとき、
父さんの前に一人の少年が現れた。
そう、悪魔の鉄拳の使い手、矢崎朱希羅だ。
「お前は朱希羅!何でこんな危険な場所に来た!?」
と父さんは朱希羅に聞いた。
朱希羅は父さんを見て答えた。
「あんたを守るためっスよ。真司を早く病院に連れて行ってやってください。ここは俺が何とか足止めしますので」
「お前だけじゃ危険だ!あいつの強さをわかっているのか!?あいつは神の生まれ変わりであり魔王の生まれ変わりでもあり、そして俺の親友の生まれ変わりだ!狩武には神と魔王の力がある!お前では太刀打ちできない!!」
と父さんは朱希羅に言った。朱希羅は狩武のほうを見て言った。
「そのくらいわかりますよ。あなたがそんなボロボロになってるんスから。だけど、俺は逃げない。あなたにはあなたの役目があるはずですよ…直人さん…」
「…お前、いつから俺の名を…!?」
と父さんは朱希羅に聞いたとき、朱希羅は答えた。
「隼人の面会に行ったとき、直人さんの声が廊下に漏れていて、盗み聞きしたんス。まぁ、最初は衝撃だったっスけど」
「そうかい…」
と父さんは言い、真司をおぶって再び病院に走り出した。
「さて、やるか?隼人の兄さん」
と朱希羅は狩武に言い、拳を強く握りしめた。
「面白い。少しだけ遊んでやるか…」
と狩武は言い、朱希羅に襲い掛かった。
一方、
絶体絶命な僕たちの前に魔神に選ばれし三悪魔の一人、呪われし小悪魔 レアルが現れた。
「お前はレアル!レアルなのか…!?」
と僕は聞いた。確かにレアルだ。
レアルは僕たちに言った。
「天使たちの話は全部聞いた!病院に向かえ!!悪魔の邪眼のフォローをしろ!!」
知っているかもしれないが、悪魔の邪眼とは父さんのことである。
一体誰から天使たちのことを聞いたのだろうか?
僕たちは病院に向かって走り出した。
「あんたの相手はアタシだ!ピエーヌ!」
とレアルはピエーヌに言い、ピエーヌはレアルに言った。
「あなたと戦うなんて、何年ぶりですかねぇ?」
そして、レアルはピエーヌに攻撃を仕掛けた。
今、悪魔の戦士たちが平滝区に集結した!!