70話 襲いくる兄
工場跡地では、真司が殺された怒りで、悪魔の継承無しで悪魔化した僕が天使の三人組と戦っていた。
一方そのころ、
復活した狩武とピエーヌ、そして天真は父さんを探していた。
父さんは真司をおぶって病院に向かって走っていた。
真司はもう息をしていない。
しかし、父さんは真司を病院に運んだ。
一方、
僕はセレシアの突風を避け、康彦の攻撃を避けつつ、聖弥だけを狙っていた。
なんとしても真司の敵を討つ!もう僕の心はそれだけしかなかった。
そのとき、そこに一人の造られし悪魔が現れた。
「己の意識を失うな。復讐に取りつかれるな。俺を倒した人間、松田隼人!」
悪魔化した僕はその言葉を聞き、悪魔化が解けた。
僕の目の前にいたのは、あのゼルキルムだった。
「お前たちは悪魔の邪眼のところへ行け。こいつらは俺が何とかする」
とゼルキルムは僕たちに言ってきた。
「あぁ…。お前を信じよう…ゼルキルム」
と僕は言い、僕たちは病院に向かって走り出した。
そのころ、
病院に向かって真司をおぶっていた父さんの下に、狩武とピエーヌと天真が現れた。
天真は天使の継承を身に着け、父さんに言った。
「お前が悪魔の邪眼だな?かなりのやり手だと聞く。ここで真司とともに消えてもらおう…!!」
そう言い、天使化した天真は父さんに攻撃しようとしたとき、狩武が天真を触れずに吹っ飛ばした。
「ぐあっ!!お前、何を…!?」
と天真は狩武に言ったとき、狩武は天真を睨み答えた。
「松田直人は俺の標的だ。関係ないものは手を出すな。さもないと殺すぞ」
「狩武と戦うには…正々堂々戦えば100%殺される。やっぱりあの時みたいにブラックホールに封印するしかないのか…」
と父さんは真司を道の端っこにあるベンチに寝かせ、戦闘態勢になった。
「前のようにはいかないぞ…?直人…」
と狩武も戦闘態勢になり言った。
そのころ、
病院に向かう父さんを追った僕たちの前に、マークフォン・ピエーヌが現れた。
「なんだお前は…!?」
とマースさんは言い、ピエーヌは笑いながら答えた。
「この先で、狩武様と松田直人が戦っています」
「父さんと兄さんが…!?」
と僕は言い、先に進もうとしたが、僕の目の前に炎の壁が現れた。
その炎はピエーヌから飛んできていた。
ピエーヌは僕たちに言った。
「戦いの邪魔はさせません。あなたたちの相手はこのワタクシですから!!」