68話 第四回戦ガチンコバトル!!
《次の戦いは天使の継承者 武沢天真対悪魔の継承者 松田隼人の戦いです》
とレティアの声を聞いた僕はあることを思い出した。
そういえば悪魔武器が無いんだった!!
そんなことを思っていたら、いつの間に僕は真っ白い空間から遺跡のような場所にワープしていた。
「ここは…どこの遺跡だ…?」
と僕は周りを見渡しながら言うと、ある声が聞こえた。
「ここは天使と悪魔の歴史の始まりと言われる神殿だ」
その声は武沢天真だった。
「お前も天使武器は持ってないようだな。だったらこの戦いは中止に…」
と僕は言おうとしたとき、天真は答えた。
「それは無理だ。たとえ武器を持ってなかろうが戦いは戦いだ。拳で戦うしかないだろう?」
「やっぱ戦わなきゃいけないのか、なんで同じ年頃なのに…同じ人間なのに…戦わなきゃいけないんだ!!」
と僕は天真に言うと、天真は笑いながら答えた。
「クハハッ!同じ人間だと?笑わせるな。お前たちのような軟弱な悪魔どもと俺を、いっしょにするな。戦いのルールを変えよう。力尽きることなんてありそうにないからな。ルールはボクシングといっしょだ。膝をついてからから10秒たったら負けだ。10秒以内に起き上がることができればセーフだ。いいよなレティア?」
《承知しました。戦闘ルールを変更します》
とレティアの声がどこからともなく聞こえてきた。
「ではバトルスタートだ!」
と天真は言い、僕に殴りかかってきた。
僕は天真のパンチをかわしつつ、天真に言った。
「この天使と悪魔の勝者には願いが一つ叶うんだったな、お前の願いは悪魔界の滅亡だった!何故だ!なんでそこまでして悪魔を滅ぼそうとする!?」
「俺が幼いころ、俺の両親はお前ら悪魔側の人間に殺された!俺はその悪魔側の赤毛の人間を倒すためならなんだってする!!いつか必ず見つけてやるんだ!!その赤毛の男をな!!」
と天真は言い、僕を殴り飛ばした。
天真のパワーは天使化もしていないのにとてつもないパワーをしていた。
「その赤毛の男を倒すために、たくさんの悪魔たちの命を殺すっていうのか!?」
と僕は起き上がりながら天真に聞いた。
「二度とそのように無条件に人を殺す悪魔側の人間を生み出さないためだ。他の言い方で言えば、俺は今、人間にとっての平和を生み出そうとしている」
と天真は言い、また僕に向かって殴りかかってきた。
「そんなの平和でもなんでもねぇ!!ただの悪魔殺しじゃねぇか!!」
と僕は言い、僕も天真に向かって殴りかかった。
僕と天真はお互い殴ろうとしつつ、お互いの拳を避けた。
そして、天真は僕の腹に向かって、蹴り飛ばそうとした。
そのキックは僕の腹にクリーンヒットし、僕は一瞬意識を失い、また取り戻した。
そして僕はそのまま天真の足をつかみ、天真を投げ飛ばした。
天真は空中で体勢を整え、地面に着地した。
「ハァ…ハァ…。こいつ本当に人間なのか…!?」
と僕はついつい思っていたことが口に出てしまった。
でも、天真のあの戦闘能力は中学生のレベルではない。プロレス級だ。
僕は完全に苦戦していたとき、ある声が聞こえた。
「覚醒が終わりましたよ。戻りましょう天真」
その声はピエロだった。
天真はピエロに言った。
「この空間は俺たち以外立ち入ることが不可能なはず!!どうやって入ったんだ!?」
《戦闘妨害は許しません。マークフォン・ピエーヌ》
とレティアの声もどこからともなく聞こえてきた。
「戦闘妨害はしませんよレティア。私はただ天真を連れ戻しに来ただけです」
ピエロは天真に言った。
「さぁ、行きましょう。松田狩武の下へ」
そう言うと、天真とピエロは消えてしまった。