67話 銃撃戦
真司は起き上がり、聖弥に言った。
「この戦いで死ぬわけにはいかないんだよ…!!隼人の平和っていう願いを叶えるまでな!!!」
「そんなこと知るか!!」
と聖弥は言い、また真司に向かって銃を撃った。
しかし、真司は弾を避け、そのままどこかに行ってしまった。
「逃走か?この遊園地の外には逃げられないはずだが…、まあいい。すぐに見つけ撃ち殺してやる」
と聖弥は言うと、そのまま真司が走って行った方向に歩いて行った。
真司はこの遊園地のいろんな場所を駆け巡るジェットコースターに向かっていた。
ジェットコースターは何故か起動していて、何台か滑走している。
真司は一台のジェットコースターに乗り、邪神の弓矢を構えた。
この後、真司がやることはわかるだろう。
真司はそのままジェットコースターに乗りながら、遊園地のどこかに歩いている聖弥を探した。
そのころ、
聖弥はメリーゴーランドの前を歩いていた。
「まったく、あの野郎どこ行きやがった…!?見つけたら必ず撃ち殺して…!!」
次の瞬間、聖弥の目の前を矢が飛んでいった。
矢はメリーゴーランドの馬に刺さり、聖弥は周りを見渡した。
誰もいない。だが、ジェットコースターに人影が見えた。
すると聖弥はジェットコースターに真司が乗っていることに気がついた。
「なるほど、奴はジェットコースターか…。だったらレールを破壊すれば簡単な話だ!」
そう言うと、聖弥は拳銃をバズーカの形に変形させ、ジェットコースターのレールに向かって強烈な一撃を放った。
もちろんレールはボロボロになり、そのレールを走ったら間違いなくジェットコースターは地面に転落するだろう。
聖弥は真司が乗ってくるジェットコースターを待ち、バズーカを拳銃の姿に戻した。
そしてついに、ジェットコースターが走ってきた。
しかし、そのジェットコースターには誰も乗っていなかった。
そのジェットコースターは転落し、地面に転がり込んだ。
「何故だ!?奴はどこにいる!?」
と聖弥は言ったとき、上の方から矢が飛んできた。
その矢は聖弥の左肩に刺さり、聖弥の左肩から血が噴射した。
「くそう!!上からだと!?」
聖弥はそう言い、観覧車を見た。
観覧車の一つの部屋に真司が乗っていた。真司はまた弓の弦を引き、もう一発聖弥に向かって放とうとしていた。
「すばしっこい奴だな!!この野郎が!!」
と聖弥は怒り、観覧車に乗っている真司に向かって、弾を撃った。
しかし、真司はしゃがみ、弾を避けた。
真司の乗っている観覧車の部屋はもうすぐ下にたどり着こうとしていた。
「真司が下にたどり着く前に撃ち殺してやる!!」
と聖弥は言い、拳銃をマシンガンの形に変形させた。
「死ねぇ!!」
と聖弥は叫びマシンガンを連射した。
真司が乗っていた部屋だけでなく、観覧車のすべての部屋の窓ガラスが粉々になった。
ある程度、地面から部屋の距離まで高さがなくなったとき、真司は観覧車から飛び降りた。
そして、聖弥の下に向かって走って行った。
一方、
聖弥は真司が観覧車から飛び降りたことを知らず、真司が観覧車の入り口から出て来るのを待った。
しかし、真司は物陰に隠れ、聖弥を狙撃しようとしていた。
もちろん、急所は狙わない。
できるだけ足を狙って真司は弓の弦を引いた。
しかし、
聖弥は真司の殺気を感じ、後ろを振り向いた。
そこにはもう矢を放つ気満々の真司が立っていた。
「なっ!?」
と聖弥は驚きつつ、拳銃をそのまま真司に向けた。
真司は拳銃を構えてきた聖弥に撃ち殺されると思ったのか、そのまま矢を放った。
そして真司が矢を放った瞬間、聖弥は弾を撃った。
聖弥の右足に矢が貫通し、真司は腹を撃たれた。
「ぐっ…!!」
と言い、真司は腹から血を出して地面に倒れ込んだ。
聖弥も足を撃たれ、立ち上がることができなくなり戦闘不能になった。
そして、
レティアの声が聞こえた。
《森島聖弥対山田真司の戦いは、両者とも力尽きたため、勝者は無しとします。よってこの天使と悪魔の戦争は延長し、次の戦いは天使の継承者 武沢天真対悪魔の継承者 松田隼人です》