65話 死神の猛攻
「あの剣に宿る死神が、今ここに実在してるのかというのか!?」
とセレシアはマースさんを見て言った。
マースさんは死神を連れながら、どんどんセレシアに近づいて来る。
「くそう!!返り討ちにしてやるッ!!」
と言い、セレシアは扇子を振り突風をマースさんに向かって飛ばしたが、死神が突風をガードしてマースさんはビクともしなかった。
「一度退くか、このままでは無駄死にする!!」
とセレシアは言い、城の中に入って行った。
マースさんは死神を連れながらセレシアの後を追いかけた。
城の中の大広間に逃げ込んだセレシアだったが、すぐにその大広間にマースさんが来た。
「逃がさないよ、姉さん…!!」
とマースさんは言い、剣を振った。
すると、死神も巨大な剣を振り、まるでマースさんと死神の動きは連動していた。
セレシアは地面にしゃがみ、死神の剣を避けた。
マースさんはその後も、どんどんセレシアに近づいてきた。
逃げ場をなくしたセレシアは突風を城中に起こし、いろんな物をマースさんに飛ばした。
しかし、死神に守られているマースさんにはビクともしなかった。
「ちぃ!!あの死神をどうすればいいのだ!!」
とセレシアは言い、とにかく突風を起こしまくった。
しかし、もちろん。
マースさんには全く効果がない。死神を連れどんどん近づいてきた。
一方、
工場跡地では父さんだけが取り残されていた。
父さんはひとり言を言っていた。
「天真たちと隼人たちが消えた…。それに創造神レティアの出現…、間違いない。これは天使と悪魔の戦争が始まっているのか…!!」
「そのとおりだ」
と父さんに誰かが話しかけた。
その人は目つきは悪く、黒いジャージ姿だった。
「誰だ…お前は…。なぜ天使と悪魔を知っている…!?」
と父さんは聞くと、そのジャージ姿の男は答えた。
「俺の名は吉田牙斐矢。松田狩武とは知り合いでな。お前は確か悪魔の邪眼だったな。だったらお前は危険人物だ。ここで消えてもらおう。」
そう言うと、牙斐矢は拳を強く握りしめた。
「おいおい、こいつ武器を何も持たずに俺と戦う気か…!?だったら重力で…!!」
と父さんは言うと、牙斐矢の周りの重力は重くなった。
「おっと…!!」
と牙斐矢は父さんの重力に耐え、そのまま父さんを殴り飛ばした。
「くっくっく、さぁ、身体のどこから壊してほしい?」
と牙斐矢は父さんに聞いた。
すると、黒い閃光を放つ悪魔が工場跡地に現れ、牙斐矢を建物に殴り飛ばした。
「アンタが松田隼人の父親か…?なら味方になんなくっちゃな」
とその悪魔は父さんに言った。
「この俺の命の恩人、松田隼人の父親は俺様が守る!!このゼルキルム様がな!!」
ゼルキルムは父さんの前に立ち、牙斐矢に向かって戦闘態勢になった。
一方、
異空間の中にある城の中では、マースさんが死神を連れながらセレシアに迫っていた。
もうセレシアは逃げ場がなく、攻撃もマースさんには通じず、勝ち目がないと思ったとき、
マースさんがいきなり倒れ込んだ。
死神の力は相当なリスクがあるらしく、長時間死神を連れながら戦うのは無理らしい。
そのとき、
レティアの声が聞こえた。
《セレシア対マースの戦いは、マースが力尽きた為、勝者は天使の継承者代理 セレシアです》
その声を聞いたセレシアは地面に座り込んだ。