64話 第二回戦…!!
《戦闘開始!》
というレティアの声と共に、マースさんとセレシアはお互いに向かって走り出した。
マースさんは黒剣を振り、セレシアを斬ろうとしたが、セレシアは鋼鉄のように硬い扇子で攻撃をガードした。
さらに、セレシアはそのまま扇子を振り、マースさんを突風で飛ばした。
「それだけか?マース」
とセレシアは言い、またマースさんに向かって突風を起こした。
「貴様など、空に放り込んでやるわ!!」
とセレシアが言ったとき、マースさんの身体は勝手に浮き、そのまま上空に飛ばされた。
剣士にとって相手が遠距離タイプなのは不利なのだ。
もはやマースさんの身体は突風と共に飛ぶ、真空波によってボロボロになっていた。
しかし、
マースさんは「これならどうだ!!」と言い、黒剣を振った。
すると剣から斬撃波がセレシアに向かって飛んで行った。
その斬撃波はセレシアのすぐ横を通り、城の壁を斬り、壁には斬撃の跡が残った。
マースさんは城の屋上に着地し、剣を構えた。
「そんな攻撃、いつ覚えた?」
とセレシアはマースさんに聞くと、マースさんは答えた。
「姉さんがお父様とお母様を裏切り城を出た後さ。俺も日本の大学に行くことになってな。そのとき隼人と真司、それに悪魔六剣士の一人、ネロスと遭遇して、そのときの戦いでネロスが使っていた技をそのままマネしただけだ」
「ただの猿まねか…。くだらん…」
とセレシアは言い、また海王の扇子を構えた。
するとマースさんは斬撃をセレシアに向かって飛ばしながら、走り出した。
しかし、
「そんな斬撃、この突風の前ではただのチリに等しいわ!!」
と言い、突風を起こした。
もちろん、
斬撃は簡単に消え、突風はマースさんに向かって飛んで行った。
マースさんは突風を避け、どんどんセレシアに向かって走って行った。
「おのれ!!ちょこまかと逃げやがって!!」
とセレシアは怒り、さらに大きな範囲の突風を起こした。
さすがにマースさんもその突風は避けきれず、激しい風の中に巻き込まれてしまった。
しかし、マースさんは飛ばされはしなかった。それだけじゃない。真空波でボロボロになっているはずなのに、ダメージを受けていないのだ。
飛ばされず、ビクともしないマースさんを見て、セレシアは言った。
「なんだ…!?なぜあの突風の中で無事に立っていられるのだ!?」
そのとき、
セレシアにはマースさんの後ろに剣を持った死神が見えた。
いや、いる。
マースさんの真後ろに死神が実在している。死神がマースさんを真空波から守っている。
どうやらマースさんの悪魔武器 死神の黒剣に宿る霊らしい。
黒剣に宿る死神はマースさんに言った。
「クハハハハハッ!!こんな若僧がこの剣を使っているとはな、こりゃあ面白いな!!気に入ったぞ!!俺が少しだけ力を貸してやる。この死神様がなぁ!!」