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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第3章 天使降臨
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58話 親子の真実

「そろそろ俺たちの関係を教えてやってもいいかな…」

とおじさんが僕に言ってきた。

「えっ…?」

と僕はおじさんを見て言った。関係って何…?


そう思った瞬間、おじさんは僕に言った。

「俺の名は悪魔の邪眼グラヴィレイと言われているが、本当はちがう。本当の名は松田 直人まつだなおと。お前の父親だ…」



「は…?」

と僕は思わず声も出なくなってしまった。

僕が小さい頃から…っていうか生まれる前から母さんと離婚した父さんが、何故今頃になって現れたのだろうか…。


僕はおじさんに聞いた。

「あんたが…父さんなのか…!?」

「そう言ってるだろう?」

と父さんは普通に返事を返した。

僕は父さんを睨みつけ言った。

「じゃあブラックホールの中にいる人は誰だ!!赤の他人を封印したっていうのか!?」


父さんは答えた。

「赤の他人ではない。あいつはお前の兄…松田 狩武まつだかりむだ」

僕は自分に兄がいるなんて誰からも聞いていない。僕は父さんに言った。

「ウソだ!!母さんは兄がいたなんて言ってなかったし、誰もそんなこと…」

「当たり前だ。俺が母さんや近所の人の狩武の記憶だけ抜き取ったからな…」

と父さんが言った。


「抜き取った…?」

と僕は父さんに聞いた。

「脳の一部だ。重力の力を使えば、脳の一部を抜き取って破壊することなんて簡単だ」

と父さんは答えると、僕は父さんに聞いた。

「何故だ!?なんで兄を封印したんだ!?」

父さんは答えた。

「そうか…そうだよな…今まで何も知らなかったんだよな…」

と父さんは言い、僕に頭を下げ言った。

「すまなかった…。今、すべてを話すよ。心して聞いてくれ…」


と父さんはそう言うと、僕は黙って話を聞いた。

「俺が十五歳のとき、平凡な家族がいるただの学生だった」


【直人十五歳】


俺はクラスではなかなか頭のいい方だった。

だから、俺は学校の先生を目指して、毎日勉強していた。


【直人十八歳】


そして俺は、大学に入学した。

大学にはたくさんの仲間や、そしてたった一人の恋人ができた。

…そう、その恋人とは、お前の母さん…松田 栞里まつだしおりだ。

たくさんの仲間の中でも最も仲が良かったのは、河原 勝人かわはらまさとだった。

俺と勝人は互いに競い合った。

絶対に俺の方が信頼される先生になってやるってな。


だが、ある日、河原 勝人かわはらまさとが交通事故でこの世から去った。

俺は勝人の墓の前でずっと言っていた。

「生徒よりも先に死んでどうする…。俺の競い合う相手がいなくなったじゃないか…」と…。


そして俺は教師になった。

結婚もして毎日幸せな日々を過ごしていた。

そんなある日、母さんのお腹の中に小さな命が生まれた。

それがお前の兄…狩武だ。


【直人二十五歳】


狩武は俺が二十歳のときに生まれた。

生まれてから五年後、狩武には不思議な現象があった。

…俺と同等なレベルの計算や、漢字なんてすべて書けたのだ。

それだけではない。

五歳児とは思えない身体能力だった。


念のため病院に行ってみたが、これと言って異常はなかった。



【直人三十六歳】


そして、

狩武は十六歳になり、高校に入学した。

もちろん高校は超エリート。狩武はその高校の中でもトップの実力だった。


一年前に母さんはまた妊娠した。それがお前だ。


そして嵐の夜。

母さんは「生まれるッ…!!」と言い、病院に運んだ。


母さんを手術室に運んだあと、狩武が俺を病院の屋上に呼んだ。

「こんな嵐なのになんでここに連れてきたんだよ」

と俺は狩武に聞くと、狩武は自分の正体を現した。


人は死ぬと生まれ変わって、

天界道 人間道 修羅道 畜生道 餓鬼道 地獄道の六つの冥界のうち、どこかに転生されると言われている。

が、狩武は天界道と地獄道、そして人間道の河原 勝人かわはらまさとの生まれ変わりだったのだ…!!



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