5話 圧倒的な悪魔
悪魔には二種類の悪魔がいる。
それは善と悪だ。
悪魔にも人間同様、良い悪魔と悪い悪魔がいるのだ。
この物語は人間が、
善の悪魔の力を継承し、悪の悪魔を倒す物語。
今日は土曜日。学校は休みだ。
午後から友達の真司と遊びに行く約束をしていた。
PM13:00
僕は駅に待ち合わせ時間ぴったりに来た。
真司はもう来ていた。
さすが常時たいくつ人間だ。
いつも「暇だ~。」と言っていて、携帯でメールをすると約6秒で返信が返ってくる。
それが山田真司だ。
今から行くのは学生の遊び場、ゲームセンターだ。
僕たちが住む町にあるゲームセンターは小さく行ってもつまらない。
なので隣町のゲームセンターに行くことにした。
電車に乗ったとき、ズボンが妙に重いことに気がついた。
僕はズボンのポケットを探ろうとしたとき、ポケットから黒い尻尾がはみ出ていることに気付いた。
まさか…この尻尾は…!
僕は尻尾をつかみ、ポケットの中から引っ張り出した。
ポケットの中にいたのはやはり小悪魔のレアルだ。
僕は小さな声でレアルに聞いた。
「なんでお前がポケットの中にいるんだよ!?」
レアルはただ一言。「暇だから。」と言って肩に乗っかってきた。
ここまで来てしまったのでは仕方がない。
真司や一般人にはレアルの姿は見えないし、連れて行くことにした。
やがて隣町についた。
ゲームセンターは駅を出てすぐ目の前にある。
僕は肩にレアルを乗せたままゲームセンターに入ろうとしたとき、
僕と真司の目の前に斬撃が飛んできた。そして衝撃で吹っ飛んでしまった。
人々は悲鳴を上げながら逃げていく。
僕は空を見上げた。
空には剣を持っている人……ではない。
剣を持っている悪魔が空に浮いていた。
あの悪魔はレアルとは違って真司や一般人にも見えるようだ。
「なんだお前?」と真司は悪魔に聞きながら近づいた。
僕は真司に「危ない!」と言おうと思った瞬間。
真司が僕のところまで吹っ飛んできた。
「大丈夫か真司!?」と聞きながら様子を見たが、気絶していた。
レアルはぼそっと言った。
「その黒刀…悪魔六剣士の一人…ネロスか…。」
ネロスと思われらしき悪魔はレアルに話しかけた。
「お前と会うのは久しいな…。呪われし小悪魔レアル…。」
僕から見て二人の会話はチンプンカンプン。
二人は知り合いなのか…?
ネロスはレアルに指を指して言った。
「やっと見つけたぞ。いっしょに来てもらおうレアルよ。」
レアルは「ちっ」と舌打ちをした。
僕は「あの悪魔は誰?」と聞いた。
するとレアルは答えた。
「あの悪魔は悪魔界のエリート剣士、悪魔六剣士の一人で殺しを趣味にする悪い悪魔。ネロスだ。」
ネロスは刀を振り上げた。
「嫌なら力ずくで連れて行くまでだ!」
と言い、刀を振った。
刀から飛んでくる斬撃が僕を襲った。
致命傷は避けたが右肩をかすられた。
真司といっしょに僕も気絶しそうだ。
僕は走って逃げることにした。
まさか悪魔があんなに強いのなんて誰が思ったのだろうか…?
僕が逃げているとネロスは「逃がすかよ」と言ってすごいスピードで追撃してくる。
僕は簡単に背後を斬られた。
ドサッと倒れてしまった僕はもう立って逃げる力がなかった。
やはり悪魔は強すぎた…。
ネロスは刀を振り上げこう言った。
「まず、この人間からブッた斬ってやろう。」と。
僕の人生は終わりだ。バイバイ、みんな♪
と思ったときネロスが誰かに殴られ吹っ飛んだ。
僕は何が起きたかわからなかった。
周りを見渡した。すると黒い剣を持っている大学生が立っていた。
きっとあの大学生がネロスを吹っ飛ばしてくれたのだろう。
しかしあの大学生は何者なのか…?