53話 忠告
天使と戦った次の日の朝。
僕の家に電話の着信音が鳴り響いた。
《ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ…!!!!》
母さんがダッシュで電話機を取った。
「もしもし、松田です~」
と母さんは電話機に向かって言う。
一方、
僕は自分のベッドでまだ寝ていた。
時刻は7:45分。学校は8:30分からなので、まだ寝てても大丈夫だ。
「あら、隼人のお友達?ちょっと待ってね~」
と母さんは電話機に言い、僕の部屋に向かって言った。
「起きやがれゴラァ!!」
そのものすごい雄たけびで僕は目覚めた。
そしてリビングに行き、電話機を取った。こんな朝早くから誰だまったく…。
僕はそう思いつつ、「もしもし?」と聞くと、聞こえたのは黒鳥の声だった。
「もしもし、ゴメンねこんな朝早くから…」
と黒鳥は謝ってきたので、ここはやさしく返事を返した。
「大丈夫、大丈夫。さっきまで起きてたし!」
僕は心の中で言った。
100%嘘ついてるよな…。我ながら飽きれる…。
黒鳥は僕に言った。
「昨日、悪魔の邪眼のおじさんが寺に来たんだ」
僕はその言葉を聞いた瞬間、目をパッと開け言った。
「それは本当か!!だったらすぐこっちに来てもらって、ブラックホールを…!!」
「無理なんだ」
と僕が話してる途中で、黒鳥が口を挿んだ。
「なんで…!?」
と僕は黒鳥に聞くと、黒鳥は答えた。
「自分の罪を償うとか言って、何者かを倒しに行ったんだ…」
僕は黒鳥の話を聞いているうちに、どんどん肩の力が抜けていった。
「ちくしょう…!!」
と僕はあのブラックホールの中にいる人を救えないことに苦しんだ。
ふとあることを思い出した僕は、黒鳥にも伝えることにした。
「天使武器を使ってくる奴ら知ってるか…?」
黒鳥は「いや、知らない」と答えたので僕は昨日のことを説明した。
「あいつらは俺…っていうか悪魔の継承を狙っている…。お前も気を付けとけよ。」
と僕は説明の後に言うと、黒鳥は「あぁ…」と言って電話を切った。
《ツー…、ツー…、》
と電話機から聞こえたとき、僕は思った。
あの寺に電話機があったんだ…。
僕は時計を見た。
時刻は8:14分。「よし、そろそろ行くか」と言い、
僕は学校に向かって歩き出した。
もしかしたら今日も学校が戦場になるかもしれない…。
そんなことを思いながら歩いて行った…。
しかし、
学校の校門は閉まっていた。
提示版を見るとそこに書いてあったのは昨日のことだった。
【高丘中学校の生徒と我が平滝中学校の生徒関係について、合同職員会議になりました。今日の授業は行いません。】
うわぁ!!やった!!休みだァー!!!
そう僕は心の中で叫んだ。
実際、周りから見ると学校の提示版を見て、にやけているだけだが…。
そんな僕の下にある男の人が現れた。
「よぉ、隼人。こんなところでなにやってんだ?」
と僕に聞いてきたのは死神の黒剣の使い手、マースさんだ。
「マースさん!久しぶりですね!!」
僕はマースさんとの再会に感動した。
だって僕から見たらマースさんはお兄さんのようなもんだから。
マースさんは学校を見て聞いた。
「今日は休みなのか?」
僕はマースさんも悪魔と関係があるので、昨日の天使のことを話した。
五分後。
説明し終えた僕は、家に帰ることにした。
今は商店街を歩いている。
……となりにマースさんもいるが…。
でも、安全に帰れるだろう。と思った僕だったが、次の瞬間。
商店街のいたる場所が爆発した。
「なんだ…!?」
と僕とマースさんは混乱状態になった。
そして僕たちの前に3人が現れた。
「お…お前たちは…!!」
と僕はその3人を見て言った。
そう、その3人とは昨日、戦った天真以外の3人だった。
聖弥が僕を見て言った。
「あの弱そうなのが松田 隼人か?俺には死にかけの虫にしか見えないが…」
道着姿の男が言った。
「油断はするなよ…。特に聖弥…」
「なんで特に俺なんだよ!?」
と聖弥は道着姿の男に聞き返した。
マースさんとセレシアは目を合わせ、セレシアがマースさんに言った。
「まだヌルい目をしてるな…クソ弟…」
マースさんは恐怖…いや、絶望的な顔で言った。
「なんでここにいるんだよ…姉さん…」