47話 行方
戦いは終わった。
サタンデーモンを倒し、その直後に悪魔化が解けた僕は、おじさんにある頼み事をした。
「一つ頼みがあるんですが、いいッスか?」
と僕はおじさんに聞いた。
「頼みとはなんだ?」とおじさんは僕に聞き返す。
僕は言った。
「悪魔の邪眼の力でブラックホールを出してほしい。出来ないことはないだろう?」
するとおじさんは僕に聞いてきた。
「なんのためにブラックホールを?」
僕は質問に答えた。
「ブラックホールの中にいる男の人、名前は…知らないけど、その人を開放してあげたいんだ。」
おじさんはキリッとした表情で聞いてきた。
「そのブラックホールの中にいた人は…お前に似てはいなかったか?」
僕は答えた。
「うん、似てました。なんか僕の大人バージョンみたいな感じで。」
「ダメだ。」
とおじさんは首を横に振って言った。
「なんでですか!?っていうか、そもそもその人を封印したのは貴方なんでしょ!?なんで封印なんかしたんですか!?」
と僕はおじさんに聞いたが、おじさんは無言のまま立ち去ろうとした。
「ちょっと待ってください!」
と真司がおじさんに話しかけた。
「……なんだ?」
とおじさんは真司に聞いた。
真司はおじさんに言った。
「なんで封印したか、言ってやってもいいじゃないですか!!」
するとおじさんは答えた。
「あいつは…封印しなければならなかった…。それだけだ。」
おじさんはそう言うと、再び歩き出し去って行った。
一ヶ月後。
サタンデーモンとの戦いで荒れた街は今では元に戻り、平和な日常に戻って行った。
僕は戦いの後から毎日のようにブラックホールの中に入る人の救出方法を考えていた。
ある日、僕はレアルに聞いた。
「なぁ、お前ってブラックホール出せないの?」
レアルは答えた。
「いいか、ブラックホールっていうのは重力使いが使う技だ。アタシは重力使いじゃない。」
僕はさらに聞いた。
「じゃあ、悪魔の邪眼以外に誰か重力使いはいないの?」
僕はそう言うと、レアルは苦笑いしながら答えた。
「アタシと同じ魔神に選ばれし三悪魔の一人、裏切られし小悪魔 デリットかな、ただあいつは行方不明。今もどこにいるのかわからない。」
「じゃあ、そのデリットってやつ以外は!?」
と僕はレアルに聞くと、レアルは首を横に振って答えた。
「アタシの思い当たる人物はいないな。」
そのとき、
ピンポーンと音が聞こえたので、僕は部屋を出て玄関を開けた。
すると外にいたのは黒鳥 鉄尾だった。
「黒鳥ッ!何の用でここに来たんだ?」
と僕は黒鳥に聞くと、黒鳥は答えた。
「話があってここに来た。家に上がっていいか?」
そして黒鳥は僕の部屋に入り、話し始めた。
「悪魔の邪眼のおじさんは一ヶ月前の戦いから行方不明になっていたが、最近、長野で目撃したという情報が入った。」
僕は言った。
「じゃあ、すぐにそのおじさんを見つけてブラックホールを出してもらおう!」
すると黒鳥は言った。
「そう言いたいが、お前には学校というものがある。残念だがおじさんの捜索は俺がする。」
「わかったよ。」
と僕は仕方ない表情で言った。
そしてその後、
僕とレアルは黒鳥を信じて待ち続けた。