43話 爆発の寸前…!!
鬼神化した僕は悪魔王を追い込むが、突如、悪魔王に重力がすごい勢いで引き寄せられた。
そして悪魔王は僕と朱希羅に言った。
「今からオレ様は自爆するッ!!」
「くそっ!!マジかよ!!」と朱希羅は言いつつ、その場から逃げようとしたが、悪魔王に引き寄せられる重力のせいで、その場に立っていることが精一杯だった。
鬼神化した僕は何とか前進することができた。だからできるだけ悪魔王から離れようとした。
しかし、悪魔王は僕に言ってきた。
「逃げようとしてるのか?無駄だな、この身体が爆発した瞬間、オレ様はブラックホールとなる!!そしてお前たちを暗黒の闇へと引きずり込んでやる!!それが本当のブラックホールだ!!まるで今のオレ様は崩壊する寸前の惑星なのだ!!」
悪魔王はそんなことを言いながら、空を見た。
空は曇っていて灰色になっている。
僕たちは何とか助かる方法を考えた。が、そんなことを考えているうちにどんどん引き寄せられる重力が増していった。
「おい、隼人!なんとか助かる方法はないのか!?」
と朱希羅は考え途中の僕に聞いてきた。
鬼神化している僕は朱希羅の質問に答えた。
「今それを考えてんだ!!少し黙ってろッ!!」
「何を考え付こうが無駄だ!!この技から逃れられる方法は無い!!有るのは死のみだ!!」
と悪魔王は僕に言ってきた。
「くそ!!どうすれば…!!どうすればいいんだ…!?」
と朱希羅は混乱状態にいたっていた。
悪魔王はそんな僕たちにすかさず聞いてくる。
「どうした!?爆発するまであとわずかだぞ!?方法とやらは考え付いたのか!?」
僕は朱希羅に聞いた。
「おい、この辺りに黒い箱はないのか!?」
朱希羅はズボンのポケットからミニサイズの黒い箱を取り出した。
「あっ……、あ…あった……。あったぞー!!」
と朱希羅は満面の笑みで言った。
「よし、あと一つ黒い箱があればこの場から脱出できる…!!」
と僕は言い、辺りを見渡した。
しかし、黒い箱はどこにもなかった。
「時は来たッ!!」
と爆発する寸前の悪魔王は言った。
「おい、お前だけでも逃げろ!!」と僕は朱希羅に言い、朱希羅が箱のふたを開けた瞬間、
僕は悪魔王に吸い込まれるように飛んで行った。
一方、
都会の方ではおじさんとサタンデーモンが戦いを繰り広げていた。
すると、住宅街の方から爆発が見えた。
サタンデーモンは住宅街の方を見ておじさんに言った。
「デスターヌのやつ、自爆したな。まぁ、あいつらは無事じゃないだろうな。」
おじさんは住宅街を数秒見つめた。
そしてその後、再びサタンデーモンに向かって走り出した。
そのころ、
僕は意識を取り戻した。
目を開けるとそこは真っ暗でなにもない空間だった。
光も音も何もない空間だったのだ。
しかし、自分の姿は認識できた。そのとき僕は気付いた。
向こうに人がいる…。
僕にそっくりなのに…大人っぽいオーラを放っている。
僕にそっくりな人は僕に言ってきた。
「お前もここに来てしまったか…。」