41話 レアルvsラーシ
悪魔界にある死の山の頂上では、黒鳥と真司とマースさんが魔神に選ばれし三悪魔の一人、憎まれし小悪魔ラーシと戦おうとしていた。が、
レアルが黒鳥たちの前に現れ、こう言った。
「こいつの相手はアタシがする、元同胞の始末はアタシの役目だ!」
「元同胞?笑わせるな、ボクはお前たちを仲間なんて思ったことは一度もないぞ?」
とラーシは笑いながら、戦闘の体勢になり言う。
「こいよ、呪われし小悪魔レアル。裏切られし小悪魔の前にお前を、殺してやる。」
すると、レアルはラーシに向かって走り出した。
しかし、
ラーシは時間止め、瞬間的にレアルの背後に移動し、レアルに手を向けていた。
ラーシは「粉々になって消ちまえッ!!」とレアルに言い、手のひらから衝撃波を飛ばした。
するとレアルは後ろを振り向き、衝撃波を避けず、大きく口を開けた。
「なにやってんだレアルは!?あくびしてるのか!?」と真司はレアルを見て、マースたちに聞いた。
もちろん、マースたちから見てもレアルが何をやってるのか、わからない。
「早く逃げないと!!ラーシの衝撃波の餌食になるぞ!!」と真司はレアルに叫んだ。
そのとき、
レアルの口の中から、巨大な手が現れ、衝撃波もろともラーシを吹っ飛ばした。
「なにッ!?」とラーシも言い、不思議に思いながら起き上がった。
真司と黒鳥とマースさんは、驚きの表情を隠せなかった。
「なんだ…!?今の口から出た手は…!?」と黒鳥は言い、レアルとラーシの戦闘を見続けた。
レアルはラーシに言った。
「まだまだこんなものじゃないぞ!!」
そう言うと、レアルの髪の毛一本一本がそれぞれ手の形になり、その手の大群がラーシに襲い掛かった。
ラーシは迫ってくる手の大群に己の手を向けて、衝撃波を飛ばした。
しかし、
ラーシに迫る全ての手は、衝撃波を避け、ラーシを押しつぶした。
「ぐぅ…!!…苦しい……!!」
と手の大群に押しつぶされたラーシは言い、そのまま時間を止めた。
「時間が止まっている今のうちに、この手の大群から脱出するか…。」
とラーシは言いながら、手の大群の一本一本をどかして、大群の中から脱出した。
「狙うはレアルだな…。」とラーシは言い、レアルの背後に立ち、レアルに向かって手を向けた。
そして時間は再び動きだし、背後にラーシがいることに気付いたレアルはそのまま振り向いて、口を開けた。
しかし、ラーシはレアルに言った。
「次に放つ衝撃波は超グレート級だ!!貴様の口から出る手では破られないぞ!!」
するとレアルの口の中から、怪物の上半身が現れた。
「ギャヴヴヴヴヴヴヴゥ!!!」
とレアルから現れた怪物は叫び、口を開け、息を存分に吸い始めた。
「なんなんだ!?こいつは!?これが呪われし力なのか…!?」
とラーシも慌てながら、衝撃波を放った。
レアルの口から現れた怪物は、ラーシに向かってすさまじい光線を飛ばした。
……いや、光線なんて低いレベルではないな、破壊光線とでも言うのでしょうか?
ラーシはその破壊光線に吹っ飛ばされ、レアルは城ごとラーシを吹っ飛ばした。
そして、上半身だけの怪物はレアルの口の中に戻って行った。
レアルはそのまま意識を失い、倒れ込んだ。
真司とマースさんはレアルのほうに走り出した。
黒鳥は周りの景色を見渡した。
その景色は崩壊したのは城以外ではなく、この火山。死の山も崩壊していて、溶岩が流れていた。
真司たちがいる頂上は今は無事だが、いずれは危険な場所になる。
レアルは地面に寝かせ、真司とマースさんと黒鳥は城の外にあった黒い箱を探し始めた。
しかし、一体…魔神に選ばれし三悪魔とは何者なのだろうか…?