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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第2章 造られし悪魔
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33話 王の命令

朱希羅がマースさんにとどめを刺そうとしたとき、ミニサイズの黒い箱ブラックボックスと共に黒鳥が現れた。

朱希羅は黒鳥を睨み言った。

「黒鳥か…。こいつらよりマシな戦いができると思うが、所詮クズだ。オレにはかなわない。」


黒鳥は魔獣の首輪ビーストネックレスを身に着けた。

すると黒鳥の身体はどんどん魔獣化していった。

頭には角が生え、ごっつい尻尾も生え、爪も鋭く伸びた。


「こいつらには指ひとつ触れさせん。かかってこい。」

と魔獣化した黒鳥が朱希羅に言った。

魔獣化しても日本語は話せるのだ。


朱希羅は黒鳥に向かって走り出し、言った。

「後悔しろ。オレを相手にしたことをな。」


そのころ、

死の山と呼ばれる山の頂上にある城では、悪い悪魔の王が複数の悪魔に命令していた。

その複数の悪魔の中にはかつて戦ったヴァイザーや、黒鳥と寺の前で戦った悪魔がいた。

ある悪魔が王に聞いた。


悪魔六剣士ソードマンデビルの一人、デリウスはどうしたんです?」

悪魔たちの王は言った。

「あいつはやられた…。足が動作不能になり、今は修理中だ。」


ヴァイザーは王に言った。

「まったく、デリウスは我ら造られし悪魔ヴィルドデビルの恥だな。で?倒したのは?」

王は答えた。

悪魔の継承インヘリタンスの所持者、松田隼人まつだはやとだ。」


ヴァイザーは指をポキポキ鳴らしながら言った。

悪魔の継承インヘリタンス……っていったら…ああ、あの人間のガキか。」


王は悪魔たちに言った。

「これからお前たち造られし悪魔ヴィルドデビルには、我の計画の妨げとなる悪魔の継承インヘリタンスの所持者、松田隼人の討伐を命ずる。また、そいつの仲間も殺してかまわん。決して生かすな。」


造られし悪魔ヴィルドデビルたちはいっせいに「ラジャー!」と答えた。

そのとき、

城の門を破壊して城に現れる者がいた。


その者は城に入り、造られし悪魔ヴィルドデビルたちの前に立った。

その者とはおじさんだ。

かつて朱希羅と戦ったあのおじさんだった。


おじさんは造られし悪魔ヴィルドデビルたちに言った。

「隼人は殺させないぞ?あいつは俺にとって、大切な人材だからな。」


王はおじさんを指差して言った。

「標的変更だ。あの人間を殺せぇ!!」

6体の造られし悪魔ヴィルドデビルたちはいっせいにおじさんに襲い掛かった。


おじさんは言った。

「俺は人間じゃない…。俺は悪魔武器、その名は、悪魔の邪眼グラヴィレイだ。」



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