32話 支配されぬ精神
マースさんは死神の黒剣を持って朱希羅に言った。
「オレ様は死神だぁ!貴様の命をよこせぇ!」
朱希羅はマースさんを指差して真司とレアルに言った。
「あれが中途半端な人間の愚かな姿だ。マースの精神はあの武器に支配されている。所詮お前らのような貧弱な人間はそうだ。力を求めれば精神を支配される。だが、オレは違う。この悪魔の鉄拳の力はオレの力そのもの、オレは人間の姿をした悪魔のような存在だからな!支配されぬ精神、それが悪魔武器を扱うために必要な要素だ!その要素がないお前たちなど相手ではない!」
マースさんが朱希羅に襲い掛かった。
「死ねぇぇぇ!!」
朱希羅はマースさんの攻撃を避け、マースさんの腹に強烈なパンチをかました。
「グエッ…。」
とマースさんは言い、そのまま戦う力がなくなってしまった。
「ウスノロ。」
と朱希羅はマースさんに言い、マースさんを殴り飛ばした。
マースさんは気絶してしまった。
「力の差がわかったか?山田 真司。今度はお前が精神を支配されるのか?」
真司は言った。
「支配なんてされねぇよ。だからと言って殺されるつもりもない。」
朱希羅は笑って質問した。
「まさか、このオレを倒すとでも?」
真司は即答した。
「そうだ。人間の力を舐めるなよ。オレからしたら朱希羅、お前も悪魔武器に精神を支配されてんじゃないのか?」
「なんだと?」
と朱希羅は真司に聞いた。
「お前はさっきから支配されぬ精神とか言っていたがどうだ?お前はラースと出会った時から、もう悪魔の力を欲して考えてること悪魔だけじゃねぇか…。」
朱希羅は真司に向かって怒った。
「お前に何がわかる!?このオレの何がわかるっていうんだ!?」
真司は矢を引き絞った。
「お前はその悪魔武器の力は自分の力そのものと言ったな、だがどうだ?お前とラーシが出会う以前、お前はそんな力で人を殺そうとしたのか!?お前は、もっと優しかったんじゃないのか!?」
朱希羅は真司に襲い掛かった。
「黙れぇ!!貴様ら下級レベルの人間とこのオレをいっしょにするなぁ!!」
真司は朱希羅に向かって矢を放ち言った。
「オレたちは同じ人間だ!上も下もない!ただ同じ人間なんだ!」
朱希羅は真司の言葉を無視して真司に襲い掛かる。
「死ねぇぇぇぇ!!」
真司も再び朱希羅に矢を放った。
「うおおおおお!!」
次の瞬間、
真司が倒れた。朱希羅は左手に矢を持っていた。
「ハァ…。ハァ…。お前らのような人間など…所詮…この程度だ…。ハァ…。ハァ…。」
朱希羅はマースさんを見て言った。
「さて、まずは…マースにとどめを刺すか…。」
そのとき、
魔力の塊が朱希羅に飛んできた。
朱希羅はその魔力の塊を避けた。魔力の塊を放ったのはレアルだ。
朱希羅はレアルに言った。
「そんなに殺されたいのか?呪われし小悪魔レアル。本当はお前も殺したいくらいなのだが、ある方からの命令でな、お前は殺せないんだ。無駄な抵抗はやめろ。さもないとその腕の骨を折るぞ。」
朱希羅はマースさんに向かって歩き出した。
そのとき、
ミニサイズの黒い箱が現れ、中から黒鳥が現れた。
朱希羅は黒鳥を見て言った。
「ターゲット変更だ。黒鳥 鉄尾。お前を殺す。」