31話 修行開始
突然、キルビスは僕に鬼神になるため、修行を開始した。
一方、悪魔界では真司とマースさんとレアルの前に、朱希羅が現れた。
「ある方の命令だ。お前たちの命を消す…!!」
真司は朱希羅を指指して言った。
「あいつは人間だが、メチャクチャ強いぞ!あの悪魔化した隼人でも敵わなかった!」
マースさんは死神の黒剣を持ち、真司は邪神の弓矢を構えた。
朱希羅は悪魔の鉄拳を着用した。
マースさんは朱希羅に聞いた。
「なぜだ!?なぜ人間なのに悪い悪魔の味方につく!?」
朱希羅は答えた。
「目的のためだ。目的のためならどんな危険だろうと、必ず達成する。」
真司は聞いた。
「お前の言う目的はなんだ?なにがしたいんだ!?」
朱希羅は真司を睨みつけ言った。
「復讐だ。母を殺し、俺を捨てた父への復讐だ!そのためなら悪魔の力を使ってでも奴を殺す!!」
マースさんは朱希羅に言った。
「最後の質問だ。あの方とは誰だ?」
朱希羅は答えた。
「お前たちの力の創造主だ。それはこの俺を絶望から救ってくれた力の創造主!そして、お前たちを滅ぼす力の創造主だ!」
マースさんと真司は無言だった。
「お前たちの質問には答えた。今度は俺の質問に答えろ。」
朱希羅は拳を強く握りしめ言った。
「悪魔の継承の所持者、松田 隼人はどこにいる?」
マースさんは「人間界だ。」としか答えなかった。
朱希羅は言った。
「仕方ない、お前たちを殺してからあいつは探す。かかってこい、愚か者ども。」
そのころ、人間界の長野の寺で、僕は修行を開始した。
「まずは精神を保つために、あの滝で修業をしてもらう。質問はあるか?」
とキルビスが僕に聞いた。
僕はさっそく質問した。
「なんで精神を保つ修行を?悪魔を超えて鬼神になるのなら、精神も鬼神化してしまうと思いますが。」
キルビスは質問に答えた。
「精神が悪魔化したならまだしも、精神が鬼神化したとなると、味方までをも傷つけてしまうかもしれない。鬼神と言うのは、恐ろしい存在なのじゃ。だから、肉体は鬼神化して精神は悪魔のままを完成とした修行を開始する。今から行う滝修業は悪魔化して行ってもらう。悪魔の継承を身に着けるのじゃ。」
僕はキルビスに予告した。
「危険ですから離れててください…。」
僕は悪魔の継承を腕にはめた。左腕から徐々に悪魔化していった。
悪魔化した僕はキルビスに言った。
「よぉ、話は全部内側から聞いてたぜ。さっそく滝に打たれるのか?」
キルビスは「そうだ。」と言い、ずっと立ち続けた。
悪魔化した僕は滝の下にある岩に座った。
「このまま座ってていいのか?」
キルビスは僕に向かって「精神を集中しろ!」と言ってきた。
悪魔界では、住宅街に朱希羅が放つ衝撃波や、マースさんが放つ斬撃や、真司が放つ矢がビュンビュン飛んでいた。
朱希羅は斬撃や矢を全て華麗に避ける。
「くそっ!一発ぐらい当たってくれよ!」
と真司は文句を言っていた。マースさんは斬撃による攻撃を止め、朱希羅に接近戦に挑んだ。
しかし、朱希羅はマースさんの剣を手ではじき返した。
グローブの形をした悪魔武器、悪魔の鉄拳はかなり硬いのだ。
マースさんは朱希羅の足を狙って斬りかかった。
しかし、朱希羅の重いパンチがマースさんを殴り飛ばした。
マースさんは電柱柱にぶつかった。
「どうした?マース?お前はここまでか?」
と朱希羅はマースさんに近づいた。とどめを刺そうとしてるのだ。
真司はすかさず朱希羅に矢を飛ばした。が、朱希羅はその硬い手で飛んでくる矢をつかみ、握りつぶした。
真司は何発も撃ったが朱希羅に片手でガードされてしまった。
朱希羅はマースさんに近づきながら話し出した。
「中途半端な人間が悪魔武器を持ったとしても、この俺にはかなわない。悪魔に選ばれし人間こそが、本当の力を手に入れることができる。この三大悪魔武器に選ばれた人間こそがな。」
朱希羅はマースさんの首をつかんだ。
「死ね。」
と言い、マースさんの首を握りつぶそうとした瞬間、マースさんの持っていた剣が朱希羅を斬りかかった。
「なんだ!?」
とさすがに朱希羅もこれには驚いていた。
朱希羅はマースを離し、剣の攻撃を避けた。
「ククク…。アハハハハハ!」
とマースさんは突如、不気味に笑い出した。
朱希羅は話し出した。
「まさかあれは、死神の黒剣とその所持者の魂が混合して発動する、死神化か!?」
マースさんは死神の黒剣を持って、朱希羅に言った。
「オレ様は死神だぁ!貴様の命をよこせぇ!!」