28話 思いがけぬ行動
黒いスーツ姿の悪魔はある城に入って行った。
悪魔王の棺桶を持って…。
城の最上階にボスと思われらしき悪魔がいた。
スーツ姿の悪魔はボスと思われらしき悪魔に報告した。
「ご命令通り、悪魔王デスターヌの死体を運んできました。」
と言い、棺桶を床に置いた。
ボスと思われらしき悪魔は「よし、地下に運べ。」
と言い、悪魔王の死体は地下に運ばれた。
そのころ、
悪魔城では地下の牢獄が朱希羅とゼルキルムによって破壊された。
僕は悪魔の継承を使い、悪魔化した。
「てめぇはゼルキルム…。」と悪魔化した僕は言う。
朱希羅は「もう協力は無しだ。後はがんばりな…。」
とゼルキルムに言い、悪魔城のガレキの山の中にあった、黒い箱を使い、人間界に戻った。
ゼルキルムは僕に話しかけた。
「俺たち造られし悪魔はボスの手下として造られた。
だが、俺は普通の悪魔でいたかった。
だから俺はボスを恨んだ。だが、奴は強すぎた。
お前はボスを倒すための通過点にしかならねぇ。悪いがここで死んでもらう。」
僕はゼルキルムに向かって走り出した。
思い切り拳を握りしめ、ゼルキルムの頬を殴った。
しかし、ゼルキルムはビクともしなかった。
「おいおい、なんだそのパンチは?あの時のほうがもっと痛かったぜ?」
とゼルキルムは言い、僕を殴り飛ばした。
僕は起き上がり、前を見ると、ゼルキルムが僕に襲い掛かってきた。
僕はその瞬間、防御の姿勢をとろうとしたが間に合わず、ゼルキルムのパンチがクリーンヒットした。
「グオッ!!」と僕は声を漏らしながら地面に倒れ込んだ。
ゼルキルムは僕にトドメを刺そうとしたとき、ゼルキルムがいきなり倒れ込んだ。
「ぐうぅぅ…!!」と苦しそうに倒れるゼルキルムを見ながら僕は起き上がった。
形勢逆転?と僕は思った。どうやらそうらしい。
ゼルキルムは胸を押さえながら苦しんでいた。
「ぐえええええ!!」と緑色の血をボタボタ口から出した。
っていうか造られし悪魔って体内に血があるの?
と僕は思ったが今はスルー。
なんだか放っておけない気持ちになった僕は悪魔化が解け、
ゼルキルムを抱え、悪魔界にある病院を探した。
きっと悪魔界にも病院くらいあるだろう。
僕は悪魔界を歩き回った。
そしてついに見つけた。
かなりボロい病院だがなんとかなるだろう。
僕はその病院に入り、お医者さんを呼んだ。
もちろんお医者さんは悪魔。
ゼルキルムをベットに乗せ、手術室に運んだ。
今思えばなんでゼルキルムを助けたんだろう?
僕はその答えを懸命に探した。が、答えは出てこなかった。
手術が終わり、お医者さんが手術室から出てきた。
お医者さんは話し出した。
「一命は取り留めました。今でもかなり危険な状態です。
あなたが抱えてこなければきっとおそらくもうなくなっていたでしょう。」
僕は質問した。
「ゼルキルムって造られし悪魔のはずなんですけど、どうやって手術したんですか?」
奥にいた別のお医者さんが答えた。
「それはワシが治したからじゃよ。小僧。」
僕は奥にいたお医者さんを見た。
かなりヨボヨボだ。
患者の先にこの悪魔を整形手術したほうがいいんじゃないのか!?と思うほどひどい顔だった。
顔面凶器とはこのことだろうか?
「あなたは何者なんですか?」
と僕は聞いた。
ヨボヨボなお医者さんは答えた。
「ゼルキルムを造りだした者の知り合いじゃ。」
僕は言葉が出なかった。
そのころ、
人間界の長野の寺では、魔獣化した黒鳥でもラーシには勝てなかった。
黒鳥の魔獣化も解けてしまい、ラーシは黒鳥に手を向けた。
「なんだ…この程度か…。」
とラーシは言い、トドメを刺そうといた瞬間、ラーシの目の前に斬撃が飛んできた。
ラーシはひょいっと斬撃を避けた。
「誰だ、出てこい。」とラーシは聞いた。
寺の屋根の上から黒い剣を持った人間が降りてきた。
そう、マースさんだ。
マースさんは黒い剣を振りかざしラーシに言い放った。
「憎まれし小悪魔ラーシ、お前は俺の悪魔武器 死神の黒剣で斬ってやる!」