26話 たった少しの平和
僕たちは住宅街にたどり着いた。
都会から住宅街までけっこう距離がある。もうクタクタだ。
時間はPM11:30
警察に見つかったら100%怪しまれるだろう…。
僕たちは決して見つからないように住宅街を歩いて行った。
やがて、真司とは違う道を通り、家にたどり着いた。
家に入った瞬間。
「ゴラアアアア!!こんな時間までどこをブラブラ歩いていたんだァァ!!
クソガキがァァァァァァ!!!!」
という母さんの怒鳴り声が住宅街すべてに響いた。
真司の家では真司の母さんが「何の音かしら!?」と混乱している。
真司のお父さんは「どうせ不良が騒いでいるんだろ?」と新聞を読みながら言った。
僕は母さんに蹴られ殴られ、まったくなんてひどい母さんなんだ!
と思っていながら部屋に入るとレアルが退屈そうに僕の机の上に座っていた。
「待ちくたびれたぞ隼人!今日は何の日か知ってるか?」
とレアルは僕に話しかけてきた。
「さあ?」と僕はレアルに言うと、レアルはニヤッと笑いながら答えた。
「今日は夏休み最終日だ。」とレアルはアナログ時計を指差した。
アナログ時計には《8月30日 PM11:49》と映っていた。
僕はバックの中から夏休みの宿題を出した。
……すべて白紙だあぁぁぁぁぁ!!
やばいよ、やばいよ!
夏休みだったことすら忘れていた!
と僕は自分を恨んだ。
しかも担任はあの秋田なのだ。
普段はやさしく微笑む天使みたいなのだが、頭に火がつくと獰猛な肉食恐竜になる。
「こりゃあ徹夜だな。」とレアルはさわやかな笑顔で話した。
レアルめ…そんなに俺が惨めな思いをするのが楽しいのか…?
と思った僕だった。
次の日の朝。
なんとか宿題を終えた僕は学校に向かってヨロヨロ歩いていた。
学校の門をくぐり、教室に入った。
授業はすべて寝て、普通に下校した。
まるで昨日、長野まで行って悪魔と戦って、そのあと東京の帰り道で悪魔武器を持った人間と戦ったなんて信じられないほど今日は平和なのだ。
家に帰り、自分の部屋に入った。
僕は黒い箱を開け、悪魔界に行った。
久々に悪魔王の墓参りに行くことにした。
悪魔城の隣にある墓地に行った。墓地の奥に悪魔王の墓があった。
僕は手を合わせて座っていた。
そのとき、
サングラスにスーツ姿の悪魔たちが現れ、悪魔王の墓の前に立った。
「なんですか!?」と僕はスーツ姿の悪魔たちに聞いた。
スーツ姿の悪魔たちは「邪魔だガキ!」と言って僕を殴り飛ばした。
スーツ姿の悪魔たちは悪魔王の墓を掘りだした。
僕は「この野郎が!!」と言い悪魔化した。
しかし、スーツ姿の悪魔は悪魔化した僕に攻撃し、僕は拘束された。
悪魔王の棺桶が掘り出され、「よし、持っていくぞ。」とスーツ姿の悪魔が言い、
スーツ姿の悪魔たちは悪魔王の棺桶と共に消えてしまった。
一体、何が起きたのか。僕にはまだわからなかった。