25話 都会での戦闘
「お前も悪魔武器を持っているのか?」
と朱希羅はおじさんに聞いた。
おじさんは自分を指差して言った。
「持ってるんじゃない…。俺が悪魔武器なんだよ。俺が。」
僕と真司は住宅街に向かって走って行った。
都会の駅前では朱希羅とおじさんが戦闘中だった。
朱希羅はおじさんに向かって走りながら言った。
「お前が悪魔武器という意味は分からないが、殺してしまえば関係ない!」
おじさんは朱希羅を見つめながら言った。
「真正面から突っ込んでくるとは、俺も甘く見られたな…。」
すると朱希羅がいきなり吹っ飛んでしまった。
「ぐおっ!」と声を出しながら朱希羅は地面に倒れ込んだ。
おじさんは朱希羅に話しかけた。
「どうした?その程度か?悪魔武器を使ってもいいんだぞ?」
朱希羅は「なめるな!!」と激怒しながら悪魔武器を出した。
朱希羅の手を黒い光が包み込んだ。
すると朱希羅の手には朱いグローブが装着されていた。
「その武器は確か…。」
とおじさんは朱いグローブの名前を思い出していた。
朱希羅は答えた。
「三大悪魔武器の一つ、悪魔の鉄拳だ。」
おじさんは「そうそう、悪魔の鉄拳だったな。」と言っていた。
その後、おじさんは語り始めた。
「確か、三大悪魔武器っていうのは三つの最強の悪魔武器のことだったよな…。
さっきの少年が使っていた悪魔の継承と、お前が使っている悪魔の鉄拳と、もう一つが確か悪魔の邪眼だったな…。」
朱希羅が話を続けた。
「悪魔の邪眼は誰が持っているのか不明だがな…。
いずれに分かるだろう…。」
「フハハハハハハハハ…!」
とおじさんは笑い出した。
朱希羅は「何がおかしい…?」とおじさんに文句を言った。
おじさんはまた自分を指差して言った。
「俺だよ。悪魔の邪眼を持っているのは。
……いや、俺が悪魔の邪眼だと言ったほうが正しいか…。」
朱希羅は驚いた表情で言った。
「悪魔の邪眼というのは人間型武器だったのか…!」
おじさんは話し出した。
「さっきからお前を吹き飛ばしているのはこの眼のおかげなんだよ…。
お前周辺の重力を変えて、吹っ飛ばしたり、地面に叩きつけたりできる…。
いや~、俺って便利だなぁ。」
朱希羅は「面白い…!!」と言っておじさんに攻撃を仕掛けた。
おじさんは朱希羅の攻撃を避けた直後、朱希羅を吹っ飛ばした。
朱希羅は起き上がり、空気を殴った。
すると空気が風になり、風が衝撃波に変わった。
衝撃波はおじさんに向かって飛んで行った。
おじさんはひょいっと衝撃波を避けた。が、衝撃波はおじさんの背後にあったビルを切り裂いて、
ビルが崩れだした。
おじさんはビルの下で寝ている人々を重力で安全な場所に移動させながら降ってくる岩を避けた。
やがてビルが完全に崩壊したとき、おじさんは朱希羅に話しかけた。
「あ~あ、これ弁償じゃすまないぞ?」
朱希羅はおじさんに向かって走り出した。
するといきなり朱希羅の身体は重くなり、地面にめり込んでしまった。
そう、おじさんが重力で朱希羅周辺を重くしたのだ。
おじさんは朱希羅に話し始めた。
「このままトドメを刺す。と言いたいがお前にはまだ若く、未来がある。
悪魔界の悪魔城の牢獄で罪を償ってもらうぞ。」
とおじさんは言うと一瞬で悪魔界の悪魔城にワープした。
朱希羅は周りを見渡した後、「お前、何者だ!?」とおじさんに聞いた。
おじさんは答えた。
「通りすがりの医者だ。」
すると悪魔城の門の向こうから悪魔たちが現れた。
悪魔たちは朱希羅を厳重に鎖で縛り、悪魔城に連れて行った。
その直後、おじさんは悪魔界から人間界の都会にワープした。
人々も目覚めて、起き上がっていく。
ビルは崩壊したままだが…。
おじさんは「フゥ…。」とため息をついて、旅立っていった。