23話 人間という名の魔獣
悪魔化した僕は悪魔に行った。
「お前の命は俺がもらう…!!」
寺の中からキルビムが「あ~あ。どうしようかのォ…。」とため息をついている。
黒鳥は「オラも参戦するッス!」と言い寺を飛び出した。
真司も黒鳥について行く。
悪魔化した僕は悪魔に襲い掛かった。
しかし、僕の攻撃は避けられまんまと相手のカウンターの餌食になってしまった。
悪魔化した僕は「ぐえっ!」と声を出しながら、地面に倒れ込んだ。
カウンターをうけた腹がメチャクチャ痛い。
そう、身体や精神が悪魔化しても僕自身に痛みは感じるのだ。
倒れ込んでいる僕の目の前に真司と黒鳥が現れた。
真司は悪魔に「次は俺だ。」と言い、黒い棒を取り出した。
黒い棒はカシャン、カシャンと音を立てながら弓の形になっていった。
そして、黒い棒は邪神の弓矢になった。
ギギギギギギギギ……
と音を立てながら真司は弓を引き絞った。
真司は「オラァ!!」と言い、矢を放った。が、
悪魔は真司の放った矢を軽々つかみ、地面に捨てた。
「矢は一本だけか?」と悪魔は余裕をかましていた。
悪魔化した僕は起き上がり、悪魔化した左手を強く握りしめ、悪魔に攻撃を仕掛けた。
真司も再び弓を引き絞り、矢を放った。
悪魔は右手で僕のパンチを受け止め、左手で矢を受け止めた。
そして悪魔は僕を蹴り飛ばして、矢を真司に投げた。
瞬発力が速い真司は矢をギリギリで避けた。
……いや、矢は左腕をかすれた。
左腕の切り傷から血がダラ~と垂れている。
蹴り飛ばされた僕は空中で体勢を整え、地面に着地した。
この悪魔…強くない…?
とおそらく同時に思った僕と真司だった。
そのとき、
背後から闘気を感じた僕と真司は後ろを振り返った。
すると黒鳥が黒いオーラに包まれていた。
真司は黒鳥の姿を見て「なんだありゃ…?」と驚いていた。
黒鳥の頭から角が生え、歯が伸び牙になり、爪は鋭く伸び、ズボンから尻尾がはみ出ていた。
寺からキルビムが戦闘の様子を見ていた。
「魔獣の首輪で魔獣化したな…。」とひとり言を言っていた。
黒鳥は「グルルルルルルルル………。」
と言い、走り出した。
すごい速さだ。
黒鳥の走った直後に土煙が舞う。
「ガウッ!!」
と黒鳥は吠え、悪魔を一瞬で殴り飛ばした。
悪魔は起き上がり反撃を仕掛けようとしたが、
黒鳥が容赦なく悪魔を殴り飛ばす。
悪魔は再び起き上がり、
「待て、俺は戦いをしに来たんじゃな…」
ドカッ!
話の途中で黒鳥が容赦なく殴り飛ばした。
今の黒鳥はさっきまでとはちがい、相手には容赦ない魔獣と化していた。
悪魔は黒鳥に殴られながらも話を続けた。
「待て、俺は戦いをしに来たんじゃ…」
ドカッ!
「オレはお前らを襲ったりはしな…」
ドゴッ!
「お願いだから許し…」
ドキャッ!
最後にアッパーで殴り飛ばした。見事に黒鳥は悪魔をKOした。
その直後、僕の悪魔化と、黒鳥の魔獣化が解けた。
悪魔は気絶していた。
僕たちは寺に戻ろうとしたとき、悪魔が起き上がった。
気絶したフリをしていたのだ。
悪魔は笑いながら言った。
「俺を見過ごすとは甘いな人間共!必ず貴様らには復讐してやる!
首を洗って待っているんだなァァァ!!」
と言い、寺のとなりの森の中に入り消えた。
森の中には黒い箱があった。
きっとここから人間界に出入りしたのだろう。
傷だらけの僕たちは……いや、黒鳥は無傷だが……。
僕たちは寺に戻った。
あの悪魔は何者だったのだろうか…?