22話 レアルの秘密
「いきなり言うがワシは人間の姿をした悪魔じゃ。」
このお坊さんの言葉に僕と真司は思わず「へっ?」と声が出た。
お坊さんは話を続けた。
「な~に、お前たちを襲ったりはせん。
ワシの名はキルビス。元は悪魔で理由があり、今は人の姿になっている。
今年でもう523歳くらいかの~。」
と言い、お坊さんは座布団の上に座った。
続いて道着姿の少年が自己紹介を始めた。
「オラの名前は黒鳥鉄尾ッス、
キルビム師匠の下で修業の毎日ッス。」
キルビムさんは僕たちに話しかけた。
「実は鉄尾も悪魔武器を持っているんじゃぞ。
この寺に伝わる悪魔武器で魔獣の首輪と言う武器でな、
使えばものすごいパワーを発揮するのだが、これにはちょっとリスクがあって、
あまり使わんことにしているんじゃ…。」
こうして話は進み、僕たちも自己紹介をした。
それ以外にもこれまでの戦いや、呪われし小悪魔レアルや、ゼルキルムの言っていた造られし悪魔のことも話した。
キルビムさんはレアルのことを話すと、「呪われし小悪魔じゃと…!?」と驚いていた。
僕はキルビムさんに質問した。
「いったい呪われし小悪魔って何のことなんですか…?」
真司や黒鳥も真面目な顔でキルビムさんを見つめた。
キルビムさんは僕を見て話し出した。
「呪われし小悪魔とは、魔神に選ばれし三悪魔の一人のことを指す。
その他にも憎まれし小悪魔。裏切られし小悪魔がいる。」
真司は質問した。
「魔神に選ばれし三悪魔って何スか?」
キルビムさんは質問に答えた。
「詳しいことはわからん。だが、レアルは魔神に呪いをかけられたのだとワシは思う。」
今思ってみたら自己紹介から急に深刻な話になってないっ!?
と心の奥底で思っていた。
そのときだった。
山々からいきなりカラスの大群が羽ばたき出し、風が強くなった。
キルビムさんは僕と真司に言った。
「急いでここから逃げなさい!あいつらが復活する!!」
真司は「あいつらって何スか?」とキョンとした顔でキルビムさんに聞いた。
黒鳥は魔獣の首輪を急いで身に付けた。
風はどんどん強くなっていく…。
森の中から黒い閃光が現れ、寺の目の前で止まった。
黒い閃光の正体は悪魔だ。
僕と真司は見たことがない悪魔だった。
足が長い悪魔で体系は細長い…。
悪魔は周りをキョロキョロ見回していた。
どうやら誰かを探しているそうだ。
寺から逃げ遅れた僕たちはキルビムにひそひそ話す。
「あの悪魔は何者ですか…?」
キルビムは汗を垂らしながら返事を返した。
「400年前からワシを狙う悪魔たちの一人じゃ…。」
僕たちは寺に隠れながらあの悪魔がどこかに行くのを待った。
しかし僕の左腕がやけに震える…。
と思い悪魔の継承を見ると激しく揺れながら黒いウイルスを体内に注入していた。
待て待て、今ここで悪魔化したら…。
と思った頃には僕の意識は飛んでいた。
悪魔化した僕は寺を飛び出し、寺のまえにいる悪魔に声をかけた。
「てめぇの命は俺がもらう…!!」