表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の継承  作者: 夜海 来火
最終章 二人の魔術師
228/231

221話 トドメの一撃‼

天魔の錫杖(ゴッドヘル)を構えた僕は、ジンの身体から飛び出した黒い巨人を見て言う。

「それが、ジンさんを利用したお前の正体か!」


そして、僕は黒い巨人に向かって走り出した。

すると、黒い巨人は迫ってくる僕に強大なパンチを放った。

僕はパンチを避けると、そのパンチは部屋の床に直撃し、その威力で床が崩壊し、僕と黒い巨人と、気絶している天真や真司たちが、ジンの部屋の下のホールに落ちた。


「みんな!」

とガレキとともに落ちてゆく僕は、悪魔の邪眼(グラヴィレイ)の重力で空中に浮き、さらに気絶している真司や天真たち。そして、ジンを浮かせた。


大聖堂のようなホールに、黒い巨人とガレキが音を立てて、落ちて行った。


僕は安全に着地すると、天真たちをホールの壁側で寝かせた。

「もうすぐ終わるからな」

と僕は気絶しているみんなに言うと、後ろを振り向き、黒い巨人を睨みつけた。


「行くぞ!」


すると、僕は黒い巨人に向かって走りながら錫杖を構えると、魔術を発動し、黒い巨人から火柱が出現した。


「グオオオオオオオ‼‼」


と悲鳴のような怒鳴り声をあげている黒い巨人を火柱が包み込み、さらに火柱の周りに魔力で生み出した十数個の氷の刃を、黒い巨人を囲むように出現させた。


そして、その十数個の氷が火柱に向かって突進するように動きだした。

すると、火柱に包み込まれた黒い巨人の身体に、十数個の氷が突き刺さり、僕は重力を軽くしながら、黒い巨人の上空までジャンプした。


「くらえ‼」

と僕は言いながら、魔神召喚(サムンス)を使い、魔神の拳を、自分の拳に宿し、強烈な一発を黒い巨人に放った。


しかし、黒い巨人は魔神のパンチを片手で受け止め、僕を空中に投げ飛ばした。


空中に投げ飛ばされた僕は、すぐに態勢を整え、着地した。


火柱はすでに消えていて、黒い巨人に突き刺さっている氷も、もう床に落ちていた。

「くそ!怪物だな……!攻撃が効いているのかもわからねぇ……!」

と僕は言うと、黒い巨人は僕に向かって言う。


「俺が死ねば、この城は爆発する‼お前が勝っても、死ぬのは変わらん!もちろん、そこで寝ている人間どももな」


「こいつを倒せば城が爆発か……。厄介だな……」

と僕は言うと、ある声が聞こえた。


「隼人!無事か!」

その声はマースさんだった。武器も何も持たずにマースさんとラーシが来たのだ。


「丁度良い!ラーシ!マース!気絶している天真たちを外に運んでやってくれ!」

と僕は怒鳴ると、黒い巨人は強大なパンチをマースさんに放った。


「うわぁ‼」

とマースさんは防御の姿勢になろうとしたとき、急に黒い巨人のパンチが止まった。


「腕が動かないだと⁉……いや、腕だけではない!身体が動かない‼」

と黒い巨人は言うと、僕が重力を扱い、黒い巨人の周りの重力を何億倍も重くしたことに、マースさんは気づいた。


「急げぇ‼‼」

と僕はマースさんに怒鳴ると、マースさんは「わかった」と返事を返し、ラーシとマースさんは天真たちを運び出した。


「うおおおおおおお‼‼」

と僕はすごい踏ん張りながら、黒い巨人の動きを止めていた。

「このガキがぁ‼」

と黒い巨人は言い、僕を睨みつけた。


数分して、マースさんがすべての気絶者を避難させると、僕はマースさんに言った。

「マース!俺がこいつを倒したら、この城は崩壊する!お前たちはできるだけこの城から離れろ!」

「でも、お前を一人にはできない‼」

とマースは言うと、僕は答えた。


「俺は一人じゃないぜ!二人一組だからな‼」


すると、マースは「帰って来いよ‼」と言い残し、その場を去った。



「ハァ……ハァ……」

と重力を使い続けた僕は息を切らしていた。

「殺るなら、今だ‼」

と動けるようになった黒い巨人は言うと、僕に向かって強大なパンチを放った。


僕はそのパンチを避けようとしたが、避け切れず、左足に強大なパンチが直撃した。


「ぐっ‼これくらい!」


と僕は言い、再び立ち上がり、魔術を発動し、氷でできたカッターブーメランを生み出した。


「そぉらぁ‼‼」

と僕は怒鳴りながら、氷のブーメランを投げ飛ばした。

黒い巨人はそのブーメランを右にステップし、難なく避け、僕に言う。


「グハハハ‼魔力の無駄遣いだな‼」

すると、僕はニヤリと笑い、答えた。


「思い通りだ‼バカヤロー‼」


すると、氷のブーメランはホールの柱を斬り裂き、6本の柱がホールの中心にいる黒い巨人に向かって倒れて来た。

「なに⁉まさか!ブーメランは柱を狙って……!そして、俺をホールの中心におびき寄せるために!」

と黒い巨人は言うと、黒い巨人は倒れて来た6本の柱に押し潰されてしまった。


すぐに僕は自分の身体を重力で軽くし、高くジャンプした。

そして、柱に押しつぶされている黒い巨人に向かって天魔の錫杖(ゴッドヘル)を投げ飛ばすと、その錫杖は黒い巨人の身体に突き刺さり、さらに錫杖から魔力の鎖が現れ、黒い巨人の身体を魔力の鎖で拘束した。


「またこの鎖で身動きを⁉くそ!柱と鎖で動けん‼こんなハズがない!ありえない‼」


と黒い巨人は言うと、拘束され、床に這いつくばっている黒い巨人に向かって、僕はパンチを仕掛けた。


それも魔神を宿した拳で、重力を重くして、空中から急降下した魔神の強烈なパンチだ。


「終わりだぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼」



そして、そのトドメの一撃が身動きの取れない黒い巨人に直撃した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ