218話 第三の眼開眼‼
「なんだ⁉あの目は!」
と天真はジンの胸から出現した大きな眼を見て言う。
上半身裸のジンは僕を睨み、戦闘態勢になり答えた。
「これが第三の眼!“時空間の眼”だ!」
隼人はレンに言う。
『あの眼にも何か秘密がありそうだな』
「慎重に攻撃を仕掛けてみるか!」
とレンは言うと、悪魔化した僕はジンに向かって走り出した。
僕はジンに向かって走りながら、床に落ちている無数のガレキを悪魔の邪眼の重力変化で浮かせ、ジンに向かって飛ばした。
さっきのジンの大規模な光線が部屋の床の表面を削り、大量のガレキが部屋の隅に落ちていたのだ。
ジンの周り、360度から無数のガレキが飛んできた。
だが、ジンは二つのガレキを、ブリッチの態勢で避けると、そのままバク転し、四つのガレキを避けた。
「まだだ!」
と僕は言い、さらにたくさんのガレキをジンに向かって飛ばした。
すると、ジンはジャンプして、一つのガレキを避け、空中でガレキを避けつつ、飛んできたガレキを踏み台にし、僕に向かって飛び込みながら、攻撃を仕掛けた。
「なに⁉」
と僕は言い、防御が間に合わない僕の目の前にジャックが現れ、ジンのパンチをジャックはパンチで迎え撃った。
ジャックとジンのパンチは衝突し合った。
パワーはほぼ互角だった。
「ジン!俺たちがいることを忘れるなよ!」
とジャックは言うと、ジンは答える。
「お前らよりまずは……」
すると、ジャックの目の前からジンの姿が消え、僕の背後にジンがいた。
「……まずは、こいつだ」
「「……っ‼⁉」」
と僕とジャックは驚くと、ジンの拳が僕とジャックさんの腹を貫通した。
「グハッ‼」
「ガッ‼」
と腹を貫通された僕とジャックは口から血を吐き、ジンは拳を僕たちから引き抜くと、僕とジャックはその場に倒れてしまった。
ジンは真っ赤な右手を僕たちから引き抜くと、倒れ込んだ僕に言う。
ジンの胸にある時空間の眼は目を閉じていた。
「なかなか強かったが、終わったな。所詮、お前は俺には勝てないのだ」
とジンは言うと、真司たちに向かって歩きだした。
「そんな……‼ジャックさんと隼人が!倒された!くそがぁぁぁぁ‼‼」
と真司は言うと、邪神の弓矢を構え、ジンに向かって無数の矢を放った。
真司の放った矢がジンに直撃する寸前、ジンの胸の時空間の眼が再び目を開けた。
「…………」
とジンは無言でその場に立ち止まっていた。
そして、ジン胸の第三の眼が目を閉じた。
その直後、矢の爆風がジンを覆った。
ジンは爆発に巻き込まれ、目視では見えなくなってしまった。
「殺ったか⁉」
と真司は爆発した光景を見ながら言うと、真司の背後からある声が聞こえた。
「弱いな……」
真司はすぐに背後を振り向いた。
真司の背後にはジンが立っていた。
「しん……‼」
と天真が真司の名前を呼ぶ直前に、真司はジンに殴り飛ばされ、部屋の壁に直撃し、気絶してしまった。
「松田隼人とレンが倒された今、お前たちに希望は無い。ここで死ね」
とジンは天真たちに言った。
「そうか……、わかったぞ!あいつの第三の眼!あれは瞬間移動するんだ!」
と狩武は天真に言った。
天真は狩武に聞き返す。
「瞬間移動⁉ワープするということか⁉」
すると、ジンが答えた。
「なかなかの推理だな狩武。そうだ。この第三の眼は、瞬間移動したい場所を目視し、ピントが合うだけで、その視点に瞬間移動することができる。第三の眼は一度ワープすると10秒はワープできない。つまり、俺を倒すにはワープした直前の10秒を狙うしかないということだ」
「10秒……」
と天真は言い、天神化すると、ジンの第三の眼が再び目を開けた。
「俺は諦めないぞ!お前を何としても倒す!」
と天真は言い、戦闘態勢になった。
一方、天魔の聖堂がある山のふもとの小さな町では大量の死神が人々を殺していた。
「来るな!うわぁぁぁ‼‼」
と言いながら、首を斬られていく男の人や8体ほどの死神に囲まれた人々が次々と死んで行った。
そんな街の建物の中で女性が二人の子供をかくまっていた。
一人の子供が女性に言う。
「ママ、僕たち死んじゃうの?」
「大丈夫よ。私たちは死なないわ」
すると、もう一人の子が泣き出した。
「怖いよぉー‼イヤだよー‼うっ……うっ…」
「し……静かにしなさい‼」
と女性は言い、泣き出した子の口を押さえた。
だが、死神たちは子供の泣き声を逃しはしなかった。
その建物の中に三体の死神が窓から侵入してきた。
女性は必死に二人の子供をかばうと、建物内で突風が発生した。
「……っ⁉」
と女性は突風を見ると、三体の死神は突風で切り刻まれていた。
「大丈夫か?」
その突風を発生させたのはセレシアだった。
そう、朱希羅と江川とセレシアが山のふもとの街に到着したのだ。
街の大通りでは大量の死神たちの前に二人の人間がいた。
そう、朱希羅と江川だった。
朱希羅は悪魔武器を構え、言う。
「数は……こりゃあ数えきれねぇな」
「一体ずつ確実に倒すぞ、朱希羅」
と江川も言い、二刀流を構えた。
ついに戦場に現れた朱希羅と江川とセレシア!
2万体の死神とついに激突!