215話 究極悪魔化VS未来を見る眼
「隼人のあの状態変化は、究極悪魔化だ!」
「でも究極悪魔化ってかなりのリスクがあるはずだろ⁉チンタラはしてられないぞ!」
と真司と天真は究極悪魔化した僕を見て言った。
ジンも僕を見て、言う。
「それが、狩武とカルラを倒した力か……。たが、この両目の前では無力に等しい」
「どうだろうな」
と究極悪魔化した僕は言うと、僕の姿は突風と共に消えた。
「っ⁉」
とジンは驚くと、ジンの左眼には僕が一瞬でジンの背後に立っていた。
ジンは左眼の未来を見る眼で、僕を視界にとらえることはできても、僕の瞬間的な攻撃を避けることはできなかった。
「ぐっ‼」
とジンは言いながら、僕に殴り飛ばされ、すぐに態勢を整え、再び起き上がった。
「眼に頼りすぎだ」
と僕は言い、戦闘態勢になった。
一方、ジンは動揺を隠しきれなかった。
顔に汗が流れてきたのだ。
(動きが速い!左眼で目視してから回避するまでの時間がほぼ変わらない!つまり……奴の動きは未来を予知した速さよりも上回っている!)
とジンは思っていると、ジンの首にぶら下げている魔法結晶が輝きだした。
『魔術が来るぞ‼』
と隼人は言うと、ジンは手のひらで床に触れると、床から大量の砂が出現し、ジンの部屋は砂漠と化した。
「隼人の動きを鈍らせる気か!」
と天真は言うと、僕はジャックを見て言う。
「ジャック!氷の魔術を頼む!空中に無数の氷の塊を浮かせてくれ!」
「わかった!」
とジャックは言うと、ジャックは手に持っている魔法結晶の力を使い、魔術を発動した。
僕の指示どおり、砂の上に氷の塊が十数個現れた。
ジンは砂の上に出現した氷を見て思った。
(何をするのかはわからんが、この砂の足場では動きは鈍くなる!悪魔の邪眼の重力で浮きながら攻撃しようとしても、重力で操る速さなら左眼で見切ることができる!お前の攻撃は俺には当たらない!)
すると、僕は氷の塊に向かって、瞬間的な速さでジャンプした。その速さはジンの左眼の予知を上回る速さだ。
氷の目の前に来ると、足を氷の表面に触れさせ、そのまま壁キックのように別の氷へと移動していった。
そして、壁のように扱われた氷は力に耐えきれず、砕け散ってしまった。
(氷を使って力の反動を利用し、移動するだと⁉それに……速いッ!)
とジンは思うと、僕はジンが見切れない速さで、もう目の前まで空中を移動していた。
「いつの間に⁉」
とジンは目の前に瞬間的な速さで移動してきた僕を見て、驚いていた。
僕はジンの頭を左手でつかみ、右手で強烈なパンチをジンの腹に放った。
「ガハッ‼」
とジンは地を吐き、少しフラつくと、僕はジンの身体を見て言った。
「最後の遺品は……」
と僕は言うと、ジンの胸ポケットからわずかな光が漏れているのを発見した。
「ここだぁ‼‼」
と僕は言い、ジンの胸ポケットから最後の遺品、“指輪”を手にした。
そして、僕の頭の中にある記憶が刻まれた。
そう、最強の魔術師の記憶が呼び起こされたのだ!