表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の継承  作者: 夜海 来火
最終章 二人の魔術師
216/231

209話 解き放たれた死神

「ここで待っててくれ、ラーシ、ヒュードラッド仙人、マースさん」

と朱希羅は言い、三人を天魔の聖堂の壁側に寝かせた。


セレシアは朱希羅と江川に言った。

「よし、行くぞ。スフォルザントの城に!」

「あぁ!」

と朱希羅は言うと、江川は寝ているマースさんのそばに駆け寄って言った。


「マースさん、もう少しだけ、この死神の黒剣(デスブラックソード)借りますね……」


そう江川は言うと、すぐに朱希羅とセレシアの後について行った。



三人は聖堂の外に出ると、ものすごい音と共に地響きが起きた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ‼‼


「なんだ⁉」

と朱希羅は周りを見渡しながら言うと、江川は今、自分たちが立っている山を見て言った。

「まさか噴火⁉」

「いや、ちがうぞ‼アレだ‼」

とセレシアは言い、あるものを指差した。


セレシアが指差したのは遠い火山の手前にある城だった。

その城から黒い柱のようなものが天に向かって伸びていたのだ。


「なんだ⁉あの黒い柱は⁉」

と朱希羅は言うと、江川は深刻な表情になり、二人に言った。


「アレは黒い柱なんかじゃない‼」


するとその黒い柱は江川たちがいる天魔の聖堂が建てられたこの山に向かって、曲がりだした。


「アレは柱じゃないのか⁉こっちに伸びてきたぞ‼」

と朱希羅は言うと、江川は二本の剣を構え、答えた。


「アレは大量の死神(デスパーソン)たちだ‼」


「なんだと⁉」

とセレシアは言い、目を細めて黒い柱を見ると、江川の言うとおり、ものすごい数の死神(デスパーソン)たちがこっちに向かって飛んできていた。


「いいか⁉奴らを一匹も逃すな‼一匹でも逃せば一般人が狩り殺され死神(デスパーソン)にされてしまう‼」


と江川は言うと、2万体の死神(デスパーソン)の大群はもう近くまで来ていた。

三人はそれぞれの武器を構え、戦闘体勢になった。


しかし、死神(デスパーソン)の大群は江川たちの真上を飛び、そのまま山のふもとにある町に向かって飛んで行った。


「しまった!奴らの狙いは町の人間か!」


と朱希羅は言うと、江川は朱希羅に言った。

「朱希羅!頼みがある!」





「再び、このような時が来たか」


とジンは言い、でかい椅子から立ち上がった。

ジンの前にいるのは僕とジャックとルークさんだった。

「貴様らが言っていた計画は起動させない‼」

と僕は言うと、ジンはニヤリと笑い、僕たちに言った。


「もう遅い。ついさっき2万体の死神(デスパーソン)を出動させた」


「に……2万だと⁉」

「一体でも苦戦する死神(デスパーソン)がそんなに⁉」

とジャックと僕は言うと、ルークさんがジンに聞いた。

「お前は再びこのような時が来たと言った!“再び”とはどういうことじゃ⁉」


するとジンは答えた。

「ルーク、お前は頭悪いな。俺はかつてレンと戦い、レンを自殺まで追い込めた。今からその二の舞を演じるのさ」


「頭悪いのはお前だ‼」


と僕は言うと、ジンは僕を睨みつけた。

「今、お前の前にいるのはレンだけじゃないんだぜ!ここにいるジャックさん、ルークさん以外にも、真司や朱希羅……マースさんに黒鳥、天使の皆や、江川や魔神に選ばれし三悪魔(メレポレントトライデント)の悪魔たちの想いも一つだ‼たった一人で戦っているお前に、俺たちは負けねぇ‼」


するとジンは僕に向かって言った。

「俺が一人?フン、貴様の言葉、そっくり返そう。お前たちの前にいるのは俺だけではない」

とジンは言い、壁を指差した。


そこには翼に釘を打たれ、壁に張り付かれている狩武がいた。

「狩武‼」

と僕は言い、悪魔化した。狩武は気を失っている。

「一人じゃないって、このことかよ」

とジャックは言うと、ジンは答えた。

「どうだろうな?」


すると悪魔化した僕はジンに向かって拳から衝撃波を放った。

「今のお前は……レンか」

とジンは言うと、衝撃波を弾き、衝撃波は空に向かって飛んでいった。

天井はまだ開き続けてあり、満月がジンの部屋を照らしていた。


ジンは狩武を見て言った。

「この男は俺の能力の前では無力に成り下がった。この眼の前では誰もが無力になるのだ!」

とジンは言うと、ジンの左目の瞳が三つになった。


『レン!奴のあの左目は未来を見ることができる!まずは視界を(さえぎ)るんだ!』


と隼人は言うと、僕はジンに向かって三発の衝撃波を放った。

「同じことを」

とジンは言い、衝撃波を弾く態勢を取ったが、そのとき、ジンは気づいた。


「この衝撃波……俺の足下に狙って?」


とジンは言うと、そのとおり、ジンの足下に衝撃波がヒットした。

その威力はコンクリートの床を破壊し、土煙がジンを覆った。

「くそ!前が見えん!」

とジンは言い、その場からジャンプした。


するとジンの目の前にはジャックが空中で攻撃を放つ姿勢でジャンプしていた。

「ちっ!」

とジンは舌打ちすると、ジャックはパンチを放った。


そのときだった。ジャックの表情が突然、すごく驚いた表情になったのだ。


ジンはジャックのパンチを受け止め、ジャックの腹に膝蹴りをくらわした。

「ぐおっ‼」

とジャックは言うと、ジンは空中からジャックを壁に向かって投げ飛ばした。


「ガハッ‼」

とジャックの背中は壁に埋れてしまい、ジンはすぐにジャックに向かって魔法弾を放った。


しかし、その魔法弾は弾かれ、ジンの椅子に向かって飛び、ジンの椅子は破壊されてしまった。


そう、魔法弾を弾いたのは狩武を背負った悪魔化した僕だった。


「この前の俺とは違うぞ!ジン!」


と僕はジンに言い放った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ