208話 共闘‼
「いくぞ……隼人!」
『いくぞ……レン!』
とお互いに言い合うと、悪魔化した僕はデューラに向かって重力を軽くして飛び、目にも止まらぬ速さで殴り飛ばした。
デューラは城のホールの壁に背中がめり込んでしまった。
「なんだ……攻撃が見えない……⁉」
とデューラは言うと、悪魔化した僕は言った。
「どうした?なかなかゴツイ鋼鉄を扱う割には対した強さじゃないな」
「安心しなさい。すぐに殺してやります‼」
とデューラは言うと、背中から生えている6本の鋼鉄のトゲを僕に向かって発射させた。
そのとき、僕の心の中から声が聞こえた。
(気をつけろレン!あの鋼鉄には魔力が混ざっている!きっと分散する!)
「了解!」
と悪魔化した僕は言うと、6本の鋼鉄のトゲを避けた。
すると隼人が言ったとおり、その鋼鉄は分散し、無数の細かいトゲが悪魔化した僕に向かって飛んできた。
だが、ある程度距離を取っていた僕は細かいトゲを避け切った。
『レン、背後から攻撃が来るぞ‼』
と僕の心の中から声が聞こえると、悪魔化した僕は後ろを振り向いた。
後ろには鋼鉄の柱が建っていた。
『飛んで回避だ‼』
と僕の心の中から声が聞こえると、悪魔化した僕は重力を軽くして飛び、鋼鉄の柱から飛んでくるトゲを回避した。
すると再び声が聞こえた。
『今だ‼』
「わかってる‼」
と悪魔化した僕は言うと、鋼鉄の柱に向かって、空中から無数の衝撃波を拳から放った。
「うおおおおお‼」
と僕は衝撃波を放ち続け、ついに鋼鉄の柱を破壊した。
『レン‼気をつけろ‼』
とまた声が聞こえると、悪魔化した僕の周辺に鋼鉄の手が現れ、僕を捕えようとした。
しかし、悪魔化した僕は拘束を避け、宙返りしながら床に着地した。
「どうした?すぐに殺すんじゃなかったのか?俺たちを」
と悪魔化した僕は言うと、デューラが僕に言った。
「そうか、そういうことか。お前のあの完璧な回避や行動は、松田隼人とレンで二人で行っているということか。おそらく、レンは松田隼人の身体を動かし、松田隼人はレンに指示をする……。ということだろう?」
「さぁな……」
と僕は答えると、落ちている鋼鉄のトゲを拾った。
「遊びは終わりだ」
と悪魔化した僕は言うと、拾った鋼鉄のトゲをデューラに向かって投げ飛ばした。
しかし、デューラはその鋼鉄をヒラリと避けた。
するとその鋼鉄のトゲは空中で動きを変え、またデューラのほうに飛んで行った。
「なっ⁉」
とデューラは反応速度が遅かったせいか、避けられず、背中に鋼鉄のトゲが刺さってしまった。
そう、その痛みは背中に包丁を刺された痛みと同じだ。
デューラは膝を床につけ、言った。
「ぐっ!貴様!悪魔の邪眼の重力で……トゲを!」
「戦ってるのは俺たちだけじゃないんだぜ」
と悪魔化した僕は言うと、ホールの床に転がっている鋼鉄のトゲをすべて浮かせた。
「さて、お前はこの攻撃を避けらるかな?」
と僕は言うと、浮かせてあるすべての鋼鉄のトゲがデューラに向かって飛んできた。
「うぎゃあああああ‼‼」
とデューラは悲鳴をあげた。
デューラの身体はサボテンのようになっていた。身体中が鋼鉄のトゲで刺されているのだ。
「終わったか」
と悪魔化した僕は言うと、心の中から声が聞こえた。
『レン……』
「あぁ、わかってる」
と悪魔化した僕は答えると、背後から迫ってきていた一本の鋼鉄のトゲを、左手でつかんだ。
「デューラの最期の足掻きだろう」
と悪魔化した僕は言うと、僕の悪魔化が解けた。
悪魔化が解け、隼人の精神が表側に現れた。
僕は皆をホールの壁側に寝かせ、心の中にいるレンに言った。
「よし、行こう。ジンさんを止める!」
すると、僕の背後から二人の人間が現れた。
そう、ジャックとルークさんだ。
「俺たち、役に立ってないな……。だけどついて行くぞ」
とジャックは言うと、ルークさんが僕に言った。
「もう、心の準備はばっちりじゃな」
「はい」
と僕は答えると、僕とジャックとルークさんはジンさんの部屋へと通じる階段を登って行った。
そのころ、ジンさんの部屋ではついに恐ろしいことが起きようとしていた。
「準備は整った!」
とジンさんは言うと、ジンさんの広い部屋には2万体ほどの死神がいた。
「今こそ!人類死神計画の始まり!ゆけ!神の使者たちよ!」
とジンさんは言うと、部屋の天井が開き、外と通じた。
それと同時に大量の死神たちが外へ出て行った。
「真の平和は目の前だ‼」
とジンさんは言い放った。
ついに解き放たれた死神‼
次回、ついに対決!レンVSジン‼