196話 狩武vsジン
「そろそろ着くぞ!」
と康彦は走りながら僕たちに言った。
僕たちは火山のふもとをせっせと走り続けていた。そして、到着した場所は……。
スフォルザントのアジト……ジンさんがいる城だ。
「いくぞぉ!」
と僕は雄たけびを上げると、僕たちはスフォルザントのアジトに乗り込んだ。
「やはりアルべラムを倒したのはお前だったか……。松田狩武」
とジンさんは狩武に言った。
ジンさんの部屋はかなり広いため、戦闘もできる広さだった。
「すぐに終わらせる」
と狩武は言い、アルべラム大臣から奪った天魔武器、魔覇の神剣を構えると、狩武に向かって走り出し、攻撃を仕掛けた。
「まっすぐ突っ込んでくるか……」
とジンさんは答えると、狩武はジンさんからカウンターを受け、空中に殴り上げされた。
「くっ!」
と狩武は言うと、真下にいるジンさんに手を向けた。
「こいつを避けることはできないぜ!」
と狩武は言うと、無数の光弾がジンさんに向かって落ちてきた。
「確かに避けきれそうにないな」
とジンさんは言うと、ジンさんも上に手を向け、無数の光弾を放った。
その光弾同士はぶつかり合い、消滅してしまった。
「俺と同じ技!?」
と狩武は言うと、ジンさんは答えた。
「驚くことは無いだろう。俺は魔神に選ばれし三悪魔の能力を全て持っている。今のは技鏡という魔術だ」
「魔術だと?」
「魔神に選ばれし三悪魔とは、魔術が優れた悪魔を俺が選出し、少しずつ魔術をいただいたのだよ。そのおかげで俺は魔術を最大限にまで増幅させることに成功し、能力を手に入れた。呪憎裏とは呪文のようなもの。自力で解けることは無い」
とジンさんは言うと、狩武は床に着地し答えた。
「レアルたちが小悪魔から成長が止まったのも、すべては貴様の力のためか……!」
と狩武は言うと、またジンさんに攻撃を仕掛けた。
「無駄だ。松田狩武」
とジンさんは言うと、ジンさんの右眼の瞳が三つになった。
「瞳が三つに!?」
と狩武は言うと、狩武はまたカウンターをくらい、空中に蹴り上げられた。
ジンさんはにやりと笑うと、狩武に向かってジャンプし、攻撃を仕掛けた。が、狩武はカウンターを狙い、ジャンプしてきたジンさんを拳で叩き落とそうとしたが、その攻撃をスラッと避けられてしまった。
「まだだ!」
と狩武は言うと、くるりと空中で前転し、今度は右足でジンさんを蹴り落とそうとした。しかし、ジンさんは狩武の右足をつかみ、こう言った。
「俺のこの眼がある限り、お前に勝機は無い」
するとジンさんは、狩武をハンマー投げのように振り回し、部屋の壁に向かって投げ飛ばした。
「がハッ!!!」
と狩武は血を吐き、壁に背中がめり込んだ。
「もう終わりか?醜いな……松田狩武」
とジンさんは狩武に言うと、狩武は壁からずるずる滑り落ちた。
「く……くそ……」
と狩武は言いながら、そのまま気絶してしまった。
カラン、カラン……
狩武が持っていた魔覇の神剣が狩武の手から部屋の床に落ちた。
「さて、レンや松田隼人もこの城に来たか」
とジンさんは監視カメラが捕らえた映像を見て言った。
その映像には僕たちが映っていた。
「レン、お前がまだ俺の求める平和を理解しないのなら、俺は……」
とジンさんは言うと、拳を強く握りしめ言った。
「全力でお前を潰す!」