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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
最終章 二人の魔術師
199/231

192話 動き出す者

 霊鬼の神殿にたどり着いた江川と朱希羅、ルリと黒鳥は聖水を探した。

「どこかしら?聖水って?」

「あれじゃないのか?」

 と朱希羅はある瓶に入っている水を見つけた。

「よし、アレを回収して、すぐに戻るぞ」


 一方、火山の神殿にたどり着いたセレシア、デリットと聖弥も聖水を回収した。


 ことは順調に進んで行った。

 だが、僕たちは聖水どころか、神殿さえ見つけられなかった。



「なぁ、漢頭」

 と僕は漢頭に聞いた。

「なんだ?」

「さっきの街の住民は、海流の神殿はこの先にあるって言ったよな?」

「言ったな」

「だけどこの先って……」



 そう、僕と漢頭、レアルにラースは街の住民から海流の神殿の場所を聞き、そのとおりに歩いてきたが、僕たちの前にある光景は地平線のかなたまで続く海だった。


 そう、海だ。何もない。あるのは海だけ。


「神殿なんてないじゃないか……」

 と僕は言うと、悪魔の継承インヘリタンスが輝きだした。

「なんだい、この光は!?」

 とラースは言うと、海の中から海流の神殿が現れた。


悪魔の継承インヘリタンスに反応したのか!?」

 と僕は言いつつ、神殿の中に入って行った。



 そして、僕たちはそれぞれ聖水を手に入れた。




 しかし、一方で僕たちの他にも動き出す者がいた。


「スフォルザント様」

 と矢崎 閻がジンさんの前に現れた。

 ジンさんは立派な椅子に腰かけて聞いた。

「なんだ?閻」

「そろそろ、奴らを狩るために私は出陣します。松田隼人……いや、レンたちを狩るために」

「よかろう、皆殺しにして来い」

 とジンさんは言うと、閻は出陣した。


 その様子を見ていたある者は、すぐにある部屋に行った。


「お前は!この部屋はスフォルザント様の許可が無ければ……!!」

 とジンさんの部下がある物に警告したが、警告している途中でその者によって殴られ、気絶してしまった。

 その者がその部屋で手にしたものは天使武器の天馬の棍棒ペガサスハンマーだった。


 そしてその者はアジトの牢獄のほうに向かい、康彦の牢の目の前に立った。

「お前は……」

 と康彦は言うと、その者は康彦が捕えられている牢獄を破壊した。


「いいですか康彦さん?あなたはすぐにここから逃げるんだ。誰にも見つからないように。この城は案外警備があまい。あなたなら逃げられるはずだ」


「なぜお前がこんなことを!?」

 と康彦は急に元気になり、その者に聞いた。


 その者は松田狩武まつだかりむだった。


 狩武が独自の判断で、康彦の牢屋を破壊したのだ。

「すべては、奴を倒すため。とにかくあなたはここから逃げてください。逃げ切ったら、この世界で最も高い山の頂上にある神殿、天魔の聖堂に向かってください。兄さんたちの手がかりを見つけられるはず」

 と狩武は言うと、康彦は立ち上がり、狩武に聞いた。

「お前はどうするんだ?」

「……ここに残って、スフォルザントを倒します。今この城にいるのはアルべラムとスフォルザントだけです。デューラは兄さんたちの捜索、矢崎 閻は今から兄さんたちを討伐しに行きます。チャンスは今しかない」

「お前ひとりで戦うのか!?」

「そうです。それとこれを受け取ってください」

 と狩武は言うと、さっき手にした天馬の棍棒ペガサスハンマーを渡した。


「狩武、無茶はするなよ。そしてありがとう」

 と康彦は言うと、壁を天馬の棍棒ペガサスハンマーで砕き、そこから脱出して行った。



 そして、狩武は城のホールのような場所にたどり着いた。

「スフォルザントはこの上の階か……」

 と狩武はホールの天井を眺めると、そのホール内にある物が現れた。


「うっかり、君の言動を見逃していたよ。まさか、そちら側の人間だったとは……」

 その者はアルべラム大臣だった。

「康彦君を脱出させたのは見事だが、この先、うまくいくかな?」

 とアルべラム大臣は狩武に聞くと、狩武は笑い出し答えた。

「ククク、ハハハハハハハ!面白い、俺が人間だと?この姿を見てもそう言えるか?」

 

 と狩武は言うと、狩武の背中から悪魔のような翼と天使のような翼が生えた。


「そうだな、お前は軟弱な人間ではない。だが、所詮悪魔と天使の中途半端な存在。人間と大して変わらぬ」

 とアルべラム大臣は言うと、アルべラム大臣が装備している幻眼の指輪ヴィジョンリングから大量の目玉が飛出し、その目玉はそのホール全体を包み込んだ。

「幻眼の創りだす幻と共に散れ。松田狩武」


「フッ、残念だが、散るのはお前だアルべラム」


 と狩武は言い、狩武は戦闘態勢になった。








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