188話 それぞれの目的地
「じゃあ、皆さん。お願いします」
と僕は言い、僕たちは天魔の聖堂の外でそれぞれ別れた。
天真・ラーシ・ドラッグは深緑の神殿に。
真司・マースさん・ジャックは砂漠の神殿に。
朱希羅・黒鳥・江川・ルリは霊鬼の神殿に。
聖弥・セレシア・デリットは火山の神殿に。
漢頭・ラース・ルークさん・レアルそして僕は海流の神殿へと向かって行った。
僕のバッグの中にはビンの中に天魔の聖水が入っている。さっき入れたのだ。
僕たちはそれぞれの神殿で聖水を手に入れ、またこの神殿に集合となった。
ついでに言うと、ヒューブラッド仙人は天魔の聖堂を守護する役目があるらしく、そこで待機となった。
僕たちは皆とは違う方向で下山し、街に着いた。
その街は最初にルークさんと僕が出会った街だ。なぜかなつかしい気がする……。
僕たちは港行きの列車に乗り、ルークさんの船がある港町に向かって行った。
そのころ、江川たちは下山し、森の中を歩いていた。
「……みんな気づいているか?」
と江川は朱希羅とルリと黒鳥に聞くと、三人は返事をした。
「あぁ」
「この殺気は……」
と朱希羅は言うと、朱希羅は後ろを振り向き、一本の木に向かって拳から衝撃波を放った。
「誰だ!!」
と朱希羅は言った。
朱希羅が放った衝撃波は木に直撃し、木は爆風と共に折れてしまった。
「やっぱりあなたたちですか」
と折れた木の陰から一人の少年が現れた。
「アレは……」
そこにいたのはデューラだった。悪魔王選出試験で審査委員を受け持った少年の悪魔だった。
「これ以上、あなたたちに邪魔をされては困るのです。申しありませんが----」
とデューラは言うと、デューラの背中から鋼鉄のような翼が生えた。
「----あなたたちにはここで消えてもらいましょう!!」
とデューラは言うと、その鋼鉄の翼で宙に浮いた。
「何か来るぞ!!気を付けろ!!」
と朱希羅は言うと、デューラは手のひらから何かを飛ばしてきた。
それは無数の鋼鉄のトゲだった。まっすぐ江川たちに飛んで行った。
江川は手から炎を出し、防ごうとしたが、デューラは笑いながら江川に言った。
「アハハ!無駄さ!それは超鋼鉄製でできた塊!炎で溶かすことはできない!」
「確かに、炎だけじゃ無理だな」
と江川は言うと、ルリがさっきまで持っていた悪魔武器を江川は手に持った。
「それは!」
と黒鳥は言うと、江川は飛んできた無数のトゲをすべて切り裂いてしまった。
「バカな!超鋼鉄製を!」
「この刀は……師匠から授かった悪魔武器……」
と江川は言った。江川の新たな悪魔武器は刀だったのだ。さらにその刀の刃の部分から激しい炎が燃え上がっていた。
「その刀の炎は一体!?」
「この刀は熱伝導する、俺のこのグローブ、灼熱の素手から放出される炎がこの刀に熱伝導している。そして、この武器は……死神の黒剣を元にして作られた悪魔武器……」
と江川は言うと、刀の刃の炎はさらに燃え上がった。
「死神の黒刀Ⅱだ!!!」