18話 人間の力
真司はラーシに半殺しにされ、戦闘不能に。
マースさんはゼルキルムにトドメを刺される直前という大ピンチになっていた。
そのとき、
ゼルキルムを誰かが殴り飛ばした。
そう、三割悪魔化した僕だった。
「生きてるかマース。」
と悪魔化した僕は聞いた。
マースさんはボロボロの身体を起き上がらせ返事を返した。
「なんとか…。」
悪魔化した僕は辺りをキョロキョロした後、マースさんに聞いた。
「真司はどこだ。」
ラーシが答えた。
「あのガキなら僕が半殺しにしたよ。遊び相手にもならなかったがな…。」
悪魔化した僕はラーシを睨みながら聞いた。
「真司は生きてるんだな…?」
ラーシは「まあな。」と答えた。
レアルは悪魔化した僕に言った。
「隼人!この前の戦いを覚えてないのか!?
お前が戦ってもこいつには……ゼルキルムには歯が立たない!」
ゼルキルムも続いて言った。
「あの呪われた小悪魔の言うとおりだ。
貴様ら下等生物の人間と、このゼルキルム様とは次元が違う…。
逃げたほうが身のためだぞ…。愚かな人間よ…。」
悪魔化した僕は言った。
「お前が何と言おうと俺はお前を殺す!」
…………決まった…。
ゼルキルムは「面白い、貴様から殺してやる!」と言い、
僕に襲い掛かった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ここからドラゴ〇ボールみたいになります ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ゼルキルムは僕を蹴り上げ、空中で僕の頭をつかみ、地面に叩きつけた。
僕はゼルキルムの頭に頭突きをした後、硬い逆鱗で覆われた右腕でゼルキルムを殴り飛ばした。
すぐに僕は走りだし、ゼルキルムに攻撃を仕掛けたが、ゼルキルムは翼で体勢を整え反撃しだした。
拳と拳がぶつかり合ったとき、僕とゼルキルムは睨み合った。
その直後、同じタイミングでラッシュし合った。
悪魔王はラッシュしながらこう言った。
「お前の弱点…それは悪魔化していない下半身と左半身だ!」
と言いものすごい勢いで僕の左腕を攻撃してきた。
悪魔化していないせいか、身体中に激痛が襲った。
僕は思わず「ぐおっ!」と言い、よろけたとき、ゼルキルムに殴り飛ばされた。
ゼルキルムは「その左腕の骨は折れたな…。」と言った。
確かに動かない。まったく左腕は動かなかった。
「次は足だ。」と言い、襲いかかってきた。
悪魔化した僕は回避しようと思ったが、激痛が身体中に響き回避できなかった。
骨が折れる音が聞こえたと思ったら、立てないほどの激痛が僕を襲った。
足の骨が折れたのだ。
「あああああああ!!」と僕は叫んだ。説明できないほどのすごい激痛だ。
レアルは僕を守ろうと援護しようとしたが、ラーシがレアルの邪魔をした。
「邪魔はさせないぞ、呪われた小悪魔レアル。」
と言い、レアルを魔力で吹き飛ばした。
激痛のあまり、僕の悪魔化は解けてしまった。
ゼルキルムは僕に手をかざしこう言った。
「人間と悪魔の力の差を少しは理解したか?
欲望に負け、憎しみを生み出す人間の貧弱さを…。」
僕は即答した。
「前から理解してるさ…。」
ゼルキルムは「ああ?」と聞いてきた。
僕は言い続けた。
「確かに人間は貧弱だ…。お前たち悪魔から見たら人間は虫レベルなのかもしれない…。
だけど俺が小さいころ父さんは言っていた…。
虫は足で踏めばすぐ死ぬけど、大群になれば強いって…。」
悪魔の継承から再び悪魔化が進行した。
「人間だって大群になれば強くなるんだ…。貧弱なんかじゃない…。
それをお前のような殺しを趣味にする悪魔の下種が…人間のことを…。」
僕の精神は悪魔化した。
「人間のことをバカにすんじゃねぇ!」
僕は完全に悪魔化していた。
翼がバサッと生えてきて、黒い尻尾が生えて、頭のてっぺんから足のつま先まで悪魔化していた。
そして立ち上がった。
ゼルキルムは質問した。
「なぜ立てる!?お前の左腕と足の骨は折ったはずだ!?」
悪魔化した僕は答えた。
「再生した。もう腕も足も折れないぜ…。」
ゼルキルムは上着を脱ぎ、地面に放り投げた。
上着はズシッと地面にめり込んだ。
「この上着の重さは80kgある。これで本来の力は戻った…。
お前が完全な悪魔になろうと俺様にはかなわない…。」
とゼルキルムは言った。
悪魔化した僕は「どうかな…?」と言った。
ゼルキルムはニッと笑い「来い…。」と言い、指をクイクイしている。
そして悪魔化した僕はゼルキルムに攻撃を仕掛けた。