178話 江川vs船長
「すぐに終わらせる」
と江川は言うと、大男の攻撃を避けた。
「くそ!ちょこまかと!」
と攻撃を避けられた大男は激怒し、拳銃を江川に向けた。が、もうそこに江川の姿はなかった。
「なに!?」
と大男は言うと、大男の背後から江川が大男の頭をつかんできた。
「終わりだ」
と江川は言った瞬間、大男の頭は灼熱の素手によって激しく燃え上がった。
「ぎゃあああああああ!!!!!」
と大男は絶叫を上げながら燃えている頭を抱えていたが、やがてそのまま倒れ込んでしまった。
すると江川は残った海賊たちに言った。
「来るなら来い」
海賊たちはすぐさま船に戻り、船長を残して逃げ出してしまった。
「ドラッグ、俺はもう一度村に戻る。お前は船の見張りを続けててくれ」
と江川はドラッグに言うと、ドラッグは返事を返した。
「了解っス!」
そのころ、レアルたちが乗り込んだ貨物列車はある火山のふもとの町に到着した。
「おい、なんか町に着いたぞ」
とレアルはデリットとルリに言うと、三体の小悪魔は貨物列車から飛び降りた。
「この町は何なんだ?」
といデリットは言うと、ルリは答えた。
「とりあえず情報収集よ、行きましょ」
とルリは言うと、レアルたちはその町を歩いて行った。
時同じく、温泉上がりの聖弥、セレシア、ラースは町を歩きながら情報収集していた。
「くそ!こりゃあ全然有力な情報が集まんねぇな」
と聖弥は言っていると、セレシアは聖弥に叱った。
「弱音を吐くな!この未熟者が!」
「仕方ないだろ……」
と聖弥は言うと、聖弥の目にある物が映った。
「あ……あれって……」
と聖弥は言いながら指を指した。
「あぁ?なんだ?」
とセレシアは言うと、聖弥は答えた。
「レアルと……ルリっていう悪魔と……デリットじゃね?」
「アホ、見間違いだろ」
とセレシアは言うと、ラースが答えた。
「いや、アレはレアルたちだね」
「なっ、なにぃ!!?」
とセレシアは言うと、セレシアたちはレアルたちに向かって走り出した。
一方、街の向こう側にある大樹の実を採取しにいくため、天真とラーシは地図を見ながら、地図に書いてある通りに歩いて行った。
だが……。
「おい、ここって……」
と天真は言った。そう、天真たちの目の前に広がっている光景は大砂漠だったのだ。
「木の実が砂漠に生えてるわけないだろ……」
と天真は言うと、ラーシはある物を指差した。
「アレじゃないか?」
ラーシの指先には一本の木が丘の上に生えていた。しかも実が生えていたのだ。
「アレだ!行くぞ!」
と天真は言い、丘を登って行くと、丘を登り切った天真はある物を見つけた。
「……何だアレ」
と天真は言うと、後ろからやってきたラーシもある物を見た。
天真たちがいる丘のすぐ下にある秘密基地のような施設があったのだ。
「こんな砂漠の中にこんな施設があるなんて……」
と天真は言うと、ラーシが天真に聞いた。
「ちょっと様子を見てみるか?」
「あぁ、スフォルザントの秘密基地かもしんねぇからな!」
と天真は答えると、天真とラーシは丘を駆け降りていき、施設に向かって走り出した。