176話 計画
「俺が説明しよう、小僧」
と閻は言うと、天真に鎌を首元に向けられている死神は閻に言った。
「閻様!いけません、これ以上話せば我々の企業に関わ……」
と死神が話している途中で閻は死神の頭蓋を地面に蹴りつけた。
「なっ!?」
と天真は言い、閻が死神の頭を地面に蹴りつけたため、閻に鎌で攻撃できそうだったが、天真が鎌を振ったとき、閻はすばやくバック転し、鎌の攻撃を避けつつ、天真とラーシから距離をとった。
「役立たずが俺に意見するな」
と閻は言うと、天真は閻を見ながら言った。
「なんつぅ速さだ……、全く見切れない……!!」
「で?お前の目的はなんだ!?今からスフォルザントとお前たちが成そうとしている計画を吐いて、その後どうする?僕たちを殺す気か?」
とラーシは聞くと、閻は答えた。
「いや、ちがう。さっきその役立たずも言っていたが、警告だ」
と閻は死神を指差しながら言うと、天真は聞いた。
「また警告だと?」
「そうだ。さっきそいつに警告を受けただろうが、お前たちはまだスフォルザント様に逆らう気満々だろ?だからちゃんと理解してもらうために今から言う。……もう打つ手は無いということをな」
「打つ手はある。だから聞こう。お前の言う警告を」
「フッ、素直じゃないガキだ」
と閻は言うと、語り始めた。
「さっきもそいつが言ったが、もう神は降臨したと言っていい。世界を一つにする存在……スフォルザント様がな」
「どうやって世界を一つにするというんだ!?」
と天真は聞くと、閻は答えた。
「世界の人類が皆、死神となることだ。すれば人類の心は皆一つとなり、繋がり、通じ合うことができる。そして世界は争いは無くなり、二度と争うことが無い世界、“新世界”となるのだ」
と閻は言うと、さらに語り続けた。
「この遥か昔の太古の時代……“神話時代”の人類が死神となれば、俺やお前たちがいた世界……“現代”も安定した平和な世界になっているはずだ。それにスフォルザント様は“神の扉”を開くことができる。つまりこの時代だけでなく、スフォルザント様の存在はすべての時空に伝わり、スフォルザント様は時空を超えた神になるのだ」
「“神の扉”を開くには現代の魔神に選ばれし三悪魔、レアルとラーシとデリットの力が必要なんじゃないのか!?」
と天真は聞くと、閻は答えた。
「アレは扉を開くための“鍵”だ。“神の扉”は“最強の魔術師”が二度と扉を開かぬよう、扉を封印したのだ。スフォルザント様の能力を使ってな」
「能力?」
「これ以上語るのはやめておこう。とにかくもう遅い。我々は動き出している。これ以上刃向う行為を見せるのであれば、我々は君たちを全力で潰す。以上だ」
と閻は言うと、立ち去ってしまった。
「まて!」
と天真は言ったが、もちろん待つこともなく、消え去ってしまった。
「ラーシ、あいつらの野望は全力で止めるぞ。人類を死神なんかにはさせない!」
「あぁ、一刻も早くみんなと合流しよう」
とラーシと天真は路上に立ち止りながら言っていた。