175話 死神の警告
「いくぞ」
と天使化した天真は言うと、つかんでいる鎖を勢いよく引っ張り、二体の死神を地面に叩き落とした。
「ウラァ!!!」
と天真は雄たけびを上げながらジャンプし、地面に叩き落とされた一体の死神に向かって落下しながらパンチを放った。
しかし、死神はパンチを避け、二体の死神は宙に浮いたとき、天魔のパンチが地面に直撃した反動で、地面に張り巡らされているレンガも宙に浮いた。
するとラーシが宙に浮いたレンガを両手でつかみ、一体の死神に向かって投げ飛ばした。
「当たるか!?」
と天真は地面から手を抜きながら、飛んでいくレンガを見て言うと、死神はひょいと飛んできたレンガを避けた。
「あまい」
とレンガを避けた死神は言った瞬間、ラーシは瞬間的な速さで死神の背後に移動し、レンガを両手でつかんでいた。
「あまいのはお前だ!」
とラーシは言い、両手で持っているレンガで死神の頭蓋を叩き飛ばした。
「そうか!時間停止で死神の背後に移動したのか!」
と天真は言うと、もう一体の死神が天真に向かって攻撃を仕掛けていた。
「天真!一体、そっちに行ったぞ!」
「わかってる」
と天真は言うと、死神は天真に向かって鎌を振り落としたが、天真は鎌を白刃取りし、受け止めた。
「すぐに終わらせる」
と天真は言うと、鎌を空中に弾き、死神が身に着けている黒いコートをつかみ、地面に叩きつけた。
そして天真は空中から落ちてきた鎌をキャッチし、死神にその鎌を向けて質問した。
「言え、今お前らのボス、スフォルザントはどこにいる?」
「我々はどんなことがあろうが、主を裏切らない。それにスフォルザント様がこの神話時代に転送される扉……“神の扉”をお開きになったときから、我々が築き上げる世界……“新世界”への準備は整ったのだ……神はもう降臨した……争いの無い世界、差別が無い世界、完璧な世界を築くために、この時代……この世界に降臨したのだ」
「お前らの目的は何だ!?争いが無い完璧な世界を築くだと?今お前がしているのは関係ない人々を殺しているんじゃないのか!?」
と天真は死神に聞くと、死神は答えた。
「さっきも言ったが、計画は告げない。我が告げたのは警告だ。我々の邪魔をするなというな……」
と死神は言うと、ある声が聞こえた。
「俺が説明しよう、小僧」
「……ッ!!!?」
と天真は上を見た瞬間、建物の屋上から男の人が飛び降りてきた。
「お前は……!!」
とラーシはその男を見て言うと、天真もその男を見て言った。
「矢崎 閻……!!!」
そう、天真たちの前に現れたのは朱希羅の父親でありスフォルザントの部下の矢崎 閻だった。