174話 小悪魔逃走
「一時間経った。休憩していいぞ」
とジャックは言うと、動いていたレールは停止し、マースさんたちはゼーゼー言いながら倒れ込んだ。
「やべぇ……超クラクラする……」
と朱希羅は言っていると、真司はおでこに手をあて言った。
「もう立てねぇよ……」
しかし、元軍人のジャックは甘くは無かった。
「はい、次!次のトレーニングに行くぞ」
と言うと、ジャックは歩き出した。
しかし、朱希羅は
「ムリムリムリ。死ぬって……」
と言っていた。
「ならここで殺すぞ」
とジャックは言い、朱希羅たちに向かって歩き出した。
「はい!はいはい!わかりましたよ!やります!」
と朱希羅は言い、朱希羅たちはジャックについて行った。
そのころ、レアルたちはある城の牢屋から強引に脱出し、今は街の中で兵士から逃げていた。
「くそぅ!あいつらずっと追いかけて来るぞ!」
とレアルは言いながら、逃げていると、ルリがある物を見た。
「あれよ!」
とルリは言ってある物を指差した。
それは貨物列車だった。偶然にもレアルもルリもデリットもある高さはまでは飛ぶことができるので、貨物列車に簡単に乗り込んだ。
「あの怪物どもめ!貨物列車の中に!」
「列車を発車させるな!」
と兵士たちは言ったが、もう列車はゆっくり動き出していた。
「なッ!!?」
と兵士たちは発射していく列車を見ながら、立ちすくんでいた。
「よし、何とか振り切れたな」
とデリットは言うと、ルリは聞いた。
「ところでこの列車はどこに向かって行くのかしら?」
「さぁ?」
とレアルは言い、その列車はどんどん線路を進んで行った。
一方、天真とラーシはやっと街に到着した。
「フゥ~、着いた~。とりあえずどっかで休むか」
と天真は言い、休める場所を探した。
建物の間にある薄暗い路地を歩いていると、ラーシはある物を見た。
「あれは……なんだ?」
「ん?」
と天真もラーシが見ている方向を見ると、街の壁に派手なポスターが貼ってあった。
そのポスターに二人は近づいた。
「どれどれ……悪魔召喚のサーカス……。あなたも神秘なる存在を目にしませんか。だとさ」
と天真は音読すると、ラーシは答えた。
「怪しいな……悪魔を召喚するとしたら黒い箱を使うしかない。だがこの時代に黒い箱なんてないはず……」
「スフォルザントの手先の仕業か……?」
「わからない」
とラーシは言うと、天真はラーシに一言言った。
「ラーシ……」
「わかってる」
とラーシは答えると、二人はその場を離れた。
すると天真たちがいた場所にトゲ付きの鎖が飛んできた。
「でてこいよ、そこにいるんだろ?」
と天真は言うと、建物の中から窓を突き破って二体の死神が現れた。
天真はチラシを指差しながら死神に聞いた。
「お前らは死神!ならこのチラシもお前らの仕業か!?」
「答える必要は無い。我が主の命により、殺す」
と死神が答えると、無数のトゲ付きの鎖を天真に飛ばした。
しかし、天真は天使の継承で天使化し、鎖をつかみ取った。
「お前らにはスフォルザントのこと、俺の仲間たちのこと……洗いざらい吐いてもらう!」