172話 連行された悪魔たち
ある街の城の中の牢屋に閉じ込められていた三人がいた。
「ここから出せ!俺たちは怪しい者じゃない!」
とデリットが牢屋の見張りをしている兵に言うと、兵は答えた。
「どう見てもお前ら怪しいだろ!!そんな小さな身体で空中を浮いたりして……。それに王様の命令があるから釈放したくてもできないんだよ!」
と兵は言うと、ルリはレアルに密かに言った。
「どうやらこの時代にはまだ天使や悪魔の存在を知られてないのかしら?」
「うーん……、よくわからないわ」
とレアルは言うと、ルリはある悪魔武器を持って言った。
「あー!隗は大丈夫かなー!この悪魔武器は師匠が隗のためにくれた武器なのにー!隗が持ってないんなら意味がないよー!!!」
するとデリットは言った。
「だったら自力でここから出てやる!レアル!お前の能力でこの檻を破壊しろ!」
「えぇ!?破壊って!?まてまて!」
と兵士は止めようとするが、デリットは聞く耳を持たなかった。
「そんなことしたら大問題になっちゃうわよ!?」
とルリはデリットに忠告したが、デリットは聞かず、レアルに言った。
「いけ!俺は他の魔神に選ばれし三悪魔の能力はコピーできないんだ!今、この檻を破壊できるのはお前しかいないレアル!」
「わかった……」
とレアルは言うと、口から魔神の腕が出てきた。
「ひぃ!!?」
と兵士はその場からすぐに逃げ、魔神の腕は檻を破壊した。
「よし、脱出するぞ」
とデリットは言い、三人はその城からの脱出を試みた。
そのころ、僕たちは次なる大陸へと到着した。
ルークさんの船は海辺の浅瀬に上陸し、僕たちはそこから森に向かって歩こうとしていた。
「兄貴……俺……船酔いしました……オェ……」
とドラッグは言いながら、船を降りると、江川はドラッグに言った。
「じゃあ次から泳げ」
「えぇ!?それは無理ッス!」
と言っていると、ルークさんが森の方を指差した。
「かなり昔だが、ワシはここから父親と一緒に森に歩いて行ってな、ある村にたどり着いた。その村には牧場や豊かな川があったが……。本当に隼人が見た映像の村がその村だという保証はないぞ」
「わかってます。それでももしかしたらその村に何かあるのかもしれない。レンっていう人とジンっていう人がいるかもしれない。だからここで立ち止まっている時間は無いんです。行きましょう」
「よし、わかった」
とルークさんは言うと、僕とルークさんと江川は森に向かって歩き出した。
「じゃあ、船の見張り任せたぞー!」
とルークさんはドラッグに言うと、ドラッグは手を振って答えた。
「お任せくださーい!!!」