171話 呪いの森脱出!!
「火山のふもとにまさかこんな街があったとは……」
と聖弥は言い、ラースとセレシアと聖弥は火山のふもとにある小さな町の中に入って行った。
そう、今までずっと下山していたのである。
「今日はこの町の宿で一泊しよう。まず宿を探して、泊まる宿が見つかったら情報収集するぞ」
とセレシアはラースと聖弥に言ったが、聖弥はセレシアに反対した。
「えぇ~、もう疲れたよ……。宿でゆっくりしようぜ?」
「実は僕も……疲れた」
とラースも言うと、ある声が聞こえてきた。
「火山のふもとにある新鮮な泉からできた温泉宿、“花山宿”はどうですか~?」
というその宿の店員が宿の入り口付近で呼び込みをしていた。
そのとき、セレシアの頭の中にある言葉が残った。
「お……温泉?」
とセレシアは言うと、聖弥はセレシアの弱みを突くように言った。
「ほら、最近温泉なんて入ってないんでしょ?ここはゆっくり疲れを癒してもいいんじゃない?」
と聖弥は言うと、セレシアは答えた。
「よし、今日は宿で休養をとるぞ」
「うおー!やっと森を抜けたー!」
と天真は叫びながら、森の出口を走って行った。
「フゥ……、ありがとう。大男さん」
とラーシは言うと、大男は答えた。
「“大樹の種”。任せたぞ」
「うん」
とラーシは言うと、天真は3㎞ぐらい先にある街を指差して言った。
「まず、あの街に行って休養をとる!」
「武沢天真、君が休みたいだけだろ……」
「……バレた?」
と天真たちは言いながら、その街に向かって歩き出した。
「本当に頼んだぞー!」
と大男は言いながら、再び薄暗い森の中に入って行った。
天真は歩きながらラーシに言った。
「まず、“大樹の種”っつうのは今目指してる街の向こうにある森の中にあるらしい。さっきも言ったが、まずあの街に行くぞ」
「はいはい」
とラーシは見事に流し、そのまま二人は歩き続けて行った。
しばらく歩くと、天真がいきなり大声を上げた。
「あぁー!ちくしょー!」
「どうした?」
とラーシは天真に聞くと、天真はラーシを睨んだ。
「ん?なんだよ?」
とラーシは聞くと、天真はラーシを指差して答えた。
「男の小悪魔と一緒に歩いていても何にも面白くねー!」
「だからなんだ?女の小悪魔だったらいいのか?」
「いや、別に……。けど、やっぱ女子のほうがいいじゃん?男と二人っきりで歩いてもつまらん!周りから見たらなんかキモいし!あー!あの街で運命の出会いとかないのかー!?」
「一人で言ってろ」
とラーシは言いながら、天真を無視して再び歩き出した。