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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第7章 神話時代
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169話 刻まれた映像

 僕が“ミサンガ”に触れた途端、突如、僕の頭の中にある映像が入って来た。



 場所は森の中にある村で、その小さな村に住む僕と同じくらいの男と、金髪の男性が森の中で戦っていた。

「よし、今日の修行はここまでだ」

 と金髪の男性は言うと、僕と同じくらいの男はウッス!と答え、二人とも村に戻って行った。


 金髪の男性は村に向かって歩きながら、僕と同じくらいの男に聞いた。

「どうだ?“魔術”はだんだん様になって来たか?」

「う~ん、まだまだジンさん程じゃないけど……一応魔術は使えるかな……?」

 と金髪の男は言うと、村の門番が二人に向かって言った。

「お~い!ジン!レン!お前たちが仕事しないで、森で修業してたから村長が怒っているぞー!今日は残業だってよ!」

「「なにー!?」」

 と二人は言うと、二人は村長の家に行った。


 コンコン、

 金髪の男がドアをノックし、村長の家に二人は入ると、そこには小さい体格の村長と思われるおじさんがいた。

「お前たち……、ワシはお前たちに薪割りを頼んだはずじゃが……、お前たちはソレを放っておいて森で修業か……?」

 かなりこの村長は怒っていた。すると奥の部屋からある女が現れた。

「おとうさん、それくらいにしたら?薪割りぐらいいつやってもいいじゃない」

 と女は言うと、僕と同じくらいの男はその女に言った。

「いいんだサラ。元々修行してくれとジンさんに頼んだのは俺だ。俺が薪割りの仕事をします」

「良い根性じゃないかレン。わかった、今回は許そう。だが次やったら……わかってるだろうな?」

 と村長は僕に言うと、僕と同じくらいの男は村長に挨拶し、さっそく薪割りを開始した。


 時刻はもう深夜になり、フクロウの鳴き声が聞こえる中、たき火の近くで僕と同じくらいの男は薪割りをしていた。

「よし、あと140本!」

 と僕と同じくらいの男は言い、次の薪を用意したとき、そこに一人の男が現れた。

 そう、金髪の男性 ジンさんだ。

「手伝ってやるよ、一人で大変だったろう?」

「大丈夫です、あと少しだし……」

「俺は暇なんだ。暇つぶしにはいいだろ?」

 とジンさんは言うと、僕と同じくらいの男 レンは薪を斧で割り、言った。

「ありがとうございます、ジンさん」


 そして二人は順調に薪を割っていき、最後の薪を割ったとき、ジンさんは地面に倒れ込んだ。

「フゥ~、おわった~。そうだ!レン、確か明日はお前の誕生日だったな……」

「えぇ、とは言っても明日は後30秒くらいで訪れますけどね……」

「ん?」

 とジンさんは言いながら、懐中時計を見ると、確かに時刻は後10秒くらいで深夜0時を迎えようとしていた。

 そして数秒経ち、0時になりレンの誕生日が訪れた。

「おっ、もうお前の誕生日か」

 とジンさんは言うと、レンにある物を渡した。

「これは?」

 とレンは聞くと、ジンさんは答えた。

「この日のために作っておいた誕生日プレゼントの“ミサンガ”だ。知ってるか?解けたら願いが叶うっていうお守りだ。腕にでも付けとけ」

「ジンさん、ありがとう」

「礼はすんな、俺たちは兄弟のような仲だろ?今日からお前も16歳だな」

 とジンさんは言い、その夜、二人はその場で地面に寝転がり、星を眺めていた。




「うわあああああ!!!……ハァ、ハァ、」

 と僕は意識を取り戻した。

 今まで森の中の小さな村にいたような感じだったが、今いるのはルークさんの船の中。

 僕は少し混乱していた。

「どうした松田隼人!?」

 と江川は聞き、ルークさんやドラックは心配しながら僕を見ていた。

「なんだ……?今の映像は……?」

 と僕はミサンガを手に持ちながら言った。

 

 今見た映像はなんだったのか……、レンやジンとは一体何者なのか……。

 僕にはわからなかった。



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