164話 大砂漠の歩行者
「あの~、兄貴。兄貴の仲間を探すっつってもどうやって探すんですか……?」
とヤクザは江川に聞いた。
江川はヤクザたちを率いて、ひたすら森を歩いていた。
「この森を北の方向に進めばハームタウンっていう街にたどり着くんだな?」
と江川は聞くと、ヤクザのボスは答えた。
「そうですが……、なぜハームタウンに?」
「まずは何事も情報収集からだ。……そういえばお前の名前はなんだ?」
「俺の名前ッスか!俺の名前はドラッグです!」
「そうか、ドラッグ、野郎ども。しっかり俺について来い」
「「「「ウッス!」」」」
とヤクザたちは返事を返し、江川たちはひたすら森を歩いていた。
そのころ、真司とマースさんと黒鳥と朱希羅は江川や僕と同じく仲間たちと合流するため、情報収集するために大砂漠を超えた向こうにある街、ホラルタウンという街に向かって歩いていた。
「水分を超大目に持ってきたが……一歩一歩が重いな……」
とマースさんは言うと、真司は弱音を吐いた。
「休まないか?俺もうグダグダだよ……」
すぐに弱音を吐くところは聖弥によく似ている。
すると黒鳥が真司に言った。
「まだ砂漠を歩き出してから10分しか経っていませんよ。もう少しがんばりましょう」
「うん……ハァ……」
と真司は返事を返した後、すぐにため息をついた。
そのとき、砂漠の向こうから一台の厳つい車が走ってきた。
「何だアレ……車……?」
と真司は言うと、朱希羅は言った。
「だんだんこっちに来てるぞ……」
と朱希羅は言い、四人でボケ~と立っていると、マースさんが皆に言った。
「みんな!!避けろッ!!!!!」
その車は間違いなく真司たちを狙って一直線に剛速球で走行してきていた。
「うわッ!!!!」
と真司は何とか回避したが、体勢を崩してしまった。四人は車をギリギリ避けると、車から三発の銃弾が飛んできた。
その三発の銃弾は体勢を崩した真司に飛んできていた。
しかし、マースさんは真司の前に立ち、死神の黒剣で三発の銃弾を弾いた。
「せ……センキューッス!マースさん!」
と真司は涙を流しながら言うと、マースさんは真司に言った。
「真司!あの車のタイヤを射抜けるか!?」
「了解!」
と真司は言うと、邪神の弓矢を構え、矢を車のタイヤに向かって放った。
その矢は見事命中し、タイヤがパンクした車は動かなくなってしまった。
「今だ!黒鳥!魔獣化して車にいる奴を引きずり出せ!」
とマースさんは言うと、黒鳥は魔獣化し、車の窓を突き破り、中に入った。
「朱希羅!黒鳥が敵を引きずり出したら、すぐに拘束するぞ!」
とマースさんは朱希羅に言うと、朱希羅は返事を返した。
「了解!」
すると、車の中から黒鳥が吹っ飛ばされてきた。
「……!!?どうした黒鳥!!?」
とマースさんは黒鳥に聞いた。すると車の中から軍人のような人が現れた。
「死にたくなけりゃあ、荷物を全てここに置いて去りな」
と軍人のような人は言うと、朱希羅は軍人のような人に言った。
「それはできないね!お前は倒す!」
突然現れた敵、大砂漠のど真ん中で灼熱の戦い始まる!!!