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悪魔の継承  作者: 夜海 来火
第7章 神話時代
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162話 それぞれの旅立ち

 天真の意識から創られた異空間で天真と亡霊は戦っていた。

 そう、天真の精神の中である。

「この人間がァ!!!」

 と天真の意識の中に閉じ込められた亡霊は怒りだし、天真に向かって攻撃を仕掛けてきた。

「いくぜ!!」

 と天真は言い、亡霊を殴り飛ばした。

「なぜだ!?攻撃がなぜ当たる!!?」

「この空間の中に入れば実体化してようが、幽霊化してようが関係ねぇ。お前はここで倒す」

「く……くそぅ!!!」

 と亡霊は言うと、天真に殴り飛ばされ消滅してしまった。



「……フゥ、終わったな」

 と意識を取り戻した天真はため息をついて言った。

 するとラーシが僕に聞いてきた。

「天真か!?中に入る亡霊は!?」

「消滅した。後はこの二体の亡霊だけか?」

「あぁ、だが攻撃はすり抜ける!!どうする!?」

「ラーシ、俺に作戦がある」

「……言ってみろ」

 とラーシは言うと、二体の亡霊を前にして天真はその作戦を説明した。




「なに?死神デスパーソンに脅らされているだと?」

 と江川はヤクザのボスに聞き返していた。そう、今江川とヤクザがいるのはヤクザに支配された小さな町だ。しかし、ヤクザは江川の攻撃により壊滅状態に陥っていた。

「あぁ、この町を占拠したのも奴らに命令されたからだ。従わなければ殺される……」

「なぜこんな小さな町を占拠する理由がある?狙うならもっと立派な街を占拠すればいいだろ……」

「奴らが言うには、この村には“最強の魔術師”を倒すための方法があるかもしれないからだということだ……」

「“最強の魔術師”……ってそんなに強いのか?」

「“最強の魔術師”っていうのはこの世で最強の男だった……、だが、その男は二年前のある日突然、姿を消した。その男を目撃した者は誰もいない。噂では殺されたと言われているが、俺はそうは思わねぇ……」

「なぜ?思わないんだ?」

「俺は二年前、“最強の魔術師”に会った。いや、助けてもらってな……。そのとき、男は俺に言ったんだ」

「会ったのか!?なんて言っていた!?」

「“新たな希望”がお前の前に現れる。と言って、これを俺に渡したんだ」

 とボスは言うと、ボスは手のひらから“ミサンガ”を取り出した。そのミサンガはまだ解けていなかった。

「これはその男が身に着けていた物だ。未来からきた者に渡せと言っていた……。俺は今、お前が未来から来た者……新たな希望だと思うんだ。“最強の魔術師”は行方不明になっちまったが、江川 隗えがわかい。お前なら死神デスパーソンと対抗できかもしれない。だから、俺たちを守ってくれないか?」

 するとそのボスだけではなく部下まで江川にお辞儀した。

「わかった。ならこちらにも条件がある」

 と江川は言うと、ヤクザのボスは答えた。

「はい、なんでもおっしゃってください兄貴!」

「俺の仲間を探す旅について来い。それだけだ」


「「「「ウッス!」」」」」


 とヤクザたちは返事を返し、江川はヤクザを率いて旅に出た。


 


 そのころ、ある砂漠のとなりにある村に住んでいるガンさんの家で一晩過ごした真司・黒鳥・朱希羅・マースさんはガンさんに別れの挨拶をしていた。

「じゃあ、俺たちこれから仲間を探しに行かなきゃいけないんで。旅立ちます」

 とマースさんは言うと、ガンさんはその四人に言った。

「また来てくれよ。いつでも待ってるからな」

「はい」

 と朱希羅は言うと、

「そうだ!」

 とガンさんは言い、ある物を持ってきた。

「それは?」

 と真司はガンさんの手のひらにある物を見た。そこにあったのは羽ペンだった。

 ガンさんはその羽ペンを持って朱希羅に言った。

「持って行ってくれ。必ず役に立つ」

「何ですかこれは?」

 と黒鳥は聞くと、ガンさんは答えた。

「二年前、“最強の魔術師”がこの村に来た時に置いて行った物だ。きっと本人が使っていたんだろう。本人はこう言っていたんだ。未来から来た子たちが来たら、旅立たせる前に、これを持たせてください。ってな、だからきっと役に立つ。持って行ってくれ」

「……“最強の魔術師”が……。わかりました」

「……じゃあな!」

「はい、さようなら!」

 と朱希羅は返事を返し、その“羽ペン”を持ち四人は旅立って行った。

 



そのころ、僕とルークさんは港の街に到着し、出航準備が整っていた。

「ワシがまだ若い頃使っていた船じゃ。いや、まだまだワシも若いかの?」

 とルークさんは言うと、船の舵を握り、僕に言った。

「帆を出してくれ!出航じゃ!」

「OK!」

 と僕は言い、帆を広げた。

 すると船はゆっくりと前に進んで行き、だんだんスピードを上げて行った。

 船といっても、今僕がいる世界は大昔の神話時代だ。普通の漁師が使うような立派な船ではなく、わざわざ帆を広げないと進まない船なのだ。だが、ちゃんと生活できる部屋があったりして、小さな海賊船のような船だった。


 僕とルークさんが乗った船は大海原をかけて行った。




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