160話 呪いの森
「なッ!!速ッ……!!」
と三人の女の子たちの亡霊のあまりのスピードに隙が生じた天真は、女の子たちが持っている刃物の攻撃を避けられなかった。
「くっ……!!!」
と天真は言った瞬間、三人の女の子が持っている刃物は無くなっていた。
「ヒャハ……?」
と亡霊も何が起きたかわからなかった。
「刃物が……消えた?」
と天真は言ったとき、ラーシが答えた。
「僕の能力、時間停止で時間を止めて、奴らが持っている刃物を落ち葉の下に隠したんだよ」
「ラーシ……!!そうか、お前の能力は時間を止める時間停止だったな!」
と天真は言うと、ラーシは三人の女の子の亡霊を見て言った。
「この亡霊は……スフォルザントとは関係あるのか?」
「それはわからない……が、とにかく今はこいつらをどうにかしないと!!」
と天真は言うと、一体の亡霊に向かって走り出し、パンチを放った。
しかし、攻撃はすり抜けてしまった。
「攻撃がすり抜ける!!?」
と天真は言うと、ラーシは答えた。
「そりゃあ亡霊だからね……どう攻撃するか……何か手は無いか?」
「今考えてんだ!ちょっと待ってろ!」
と天真は言うと、天真に向かって三体の亡霊が襲い掛かって来た。
「武器を持たずに来やがった!!」
と天真は言ったとき、天真の身体の中に一体の亡霊が入って行った。
「なっ!?まさか憑りつかれた!!?」
と天真は言うと、天真はフラフラよろけ始めた。
「大丈夫か天真!?」
とラーシは聞くと、天真は急に立ち止り言った。
「ヒュー、なつかし~、人間の身体ってこんなのだったっけ?」
天真の目は二体の亡霊と同じで真っ黒になっていた。
「この森で遭難して、死んじゃったけど……。まぁ、生きた人間が遭難しに来てくれて助かったわ」
と憑依された天真は言い、天真の周りに二体の亡霊が近付いた。
「さて、と……。あの小悪魔に憑依するのは早い者勝ちよ、アンタたち。行きなさい」
と憑依された天真は言うと、二体の亡霊はラーシに向かって襲い掛かって来た。
一方、この僕、松田隼人は険しい山道を下っていた。
ヒュウじいさんに指示されたとおりに進んでいた。
---1時間前---
「いいか小僧、まずこの時代に来たお前がやるべきことは、お前と共に来た仲間たちと合流することじゃ。じゃが、世界は広い。お前の仲間たちは世界の隅々に飛ばされたはずじゃ。それを簡単に探す方法がある。この山を下ると小さな町がある。その町にワシの知り合いのルークという漁師がいるはずじゃ。その人に訪ねてみるといい」
とヒュウじいさんはスープを飲みながら言うと、僕は答えた。
「はい、わかりました」
---現在---
「皆……きっと全員合流するよな……!だから死なないでくれよ!」
と僕はひとり言を言いながら、山を下って行くと、輝かしい光が僕を照らした。
「うわ!」
と僕は言い、その光の正体を見た。
「うわぁ……日の出だ……!」
その時見た日の出はとてもすごかった。
そしてこれが神話時代の旅が始まる最初の日の出だった。