156話 神話の真実
「みんな~どこだよ~」
という声が砂漠のど真ん中からから聞こえてくる。
「ここって……大昔の神話時代っていう……世界なのか……?」
と違う声が聞こえてきた。その声はマースさんと真司だった。
「熱い~ダルい~死ぬ~」
と真司は酷く弱音を吐いていた。まぁ、弱音を吐くのも仕方がない。真司とマースさんが今立っている場所は大砂漠のど真ん中なのだから。
マースさんが真司に干からびた顔で聞いた。
「真司……何か飲み物無いのか……?」
「そんなの……あるわけないじゃ無いっスか……。俺も欲しいっスよ……」
と真司は言うと、マースさんがある物を指差した。
「あれって井戸じゃないのか……?」
マースさんが指差した先には、砂漠のど真ん中にポツンと造られた井戸があった。
「「水ダァー!!!!!!!!」」
と真司とマースさんはその井戸に向かって高速のような速さでダッシュした。
真司が井戸に垂れ下がっているロープを握ると、マースさんは真司に言った。
「真司!早く水を汲むんだ!!」
「言われなくってもそうしますよ!!」
と真司は言い、ロープをどんどん引っ張り上げた。
ロープを引っ張り上げながら真司は言った。
「きっと神様が死にそうな俺たちに水という奇跡を与えてくれたんスよ!!」
「おぉ!ありがたやー!!」
とマースさんは言ったとき、真司は気づいた。
「待ってください、このロープの先、何もついてない。ただのロープっス……」
「え!?じゃあ水もこの井戸の中にないのか……?」
「多分……」
真司とマースさんは絶望し、真司はロープを離した。
「やっぱここで死ぬのか……」
とマースさんは言ったとき、井戸の中からある音が聞こえてきた。
…………ポチャンッ…。
「「い……今の音は!!!」」
その音を聞いた二人は再び井戸の中を覗いた。
「よし、真司!俺はこの井戸の中に入る!」
「えぇ!?どうやって!?」
と真司は聞くと、マースさんはロープを使ってゆっくり井戸の中に入っていった。
「なるほど、俺も行きます!!」
と真司は言い、真司もロープを使って井戸の中に入っていった。
一方、僕はヒュウという老人、名付けてヒュウじいさんと洞窟の中に建てられた家の中で話していた。
「それが悪魔の継承か……。本物を見るのは初めてじゃ……」
とヒュウじいさんは言うと、僕はヒュウじいさんに聞いた。
「これを知ってるんですか……?」
「あぁ、今から2年前……殺人鬼がこの世界に君臨したのじゃ……」
「殺人鬼?」
と僕は聞くと、僕と同じくらいの少女、サリアが僕に言った。
「死神よ」
するとヒュウじいさんは再び話した。
「死神はこの世界の人々を次々と殺していった……。そんなときじゃった。そんな何憶万体の死神の前に一人の若者が立ち上がったのじゃ……。その若者は左腕に黒い腕輪を身に着け、悪魔のような姿になったそうじゃ……。そして死神を次々と倒していき、平和を取り戻した」
(顔面崩壊の悪魔が言っていた神話どおりだ……。それに二年前にこの世界に死神が現れたということは……ここは……神話時代……)
と僕は思うと、ヒュウじいさんは言った。
「そして、平和を取り戻したかに見えたのじゃが、その若者は死神を操る者に殺されたのじゃ……。戦いに敗れたのじゃ」
「死んだ!!?神話では封印されたと……!!!」
「神話……?ほぅ、お前がいた時代では神話になっていたのか……」
「それより死んだってどういうことですか!!?」
と僕は聞くと、サリアが答えた。
「その若者は死神のボスに殺されたのよ。そして今はその死神のボスがこの世を支配しているわ……。生き残った人間のほとんどがそのボスに立ち向かったんだけど……皆、殺されてしまった……」
するとヒュウじいさんが言った。
「今、この世界に生き残った人間は残りわずか……。そして生き残ったわずかな人間は、この世界を救うため一人で立ち向かった若者の墓を、神が舞い降りた神殿にすることに決めたのじゃ」
「神が舞い降りた神殿って……」
「そうじゃ、さっきワシらがいた神殿。天魔の神殿じゃ。そしてその若者は後に……“最強の魔術師”と呼ばれるようになる……」
「じゃあ“最強の魔術師”は……死神のボス……スフォルザントに殺されたのか……!!?」
真実発覚……!!!!!!