15話 永遠の別れ
死んだと思われたゼルキルムは再び起き上がり、
「せめて、呪われし小悪魔だけでも殺す!!」と言ってレアルに襲い掛かった。
悪魔化した僕と真司は小悪魔のラーシに苦戦していた。
するとラーシはいきなり「ムッ。」と言って僕たちに話してきた。
「悪魔王とボスの戦いが終わったらしい…。
君たちとのお遊びは終わりだ。楽しかったよ……人間…。」
と言って消えてしまった。
一方、
悪魔城では悪魔王がレアルをかばっていた。
レアルは無傷だった。
しかし、悪魔王はゼルキルムの腕が腹に貫通していて、緑色の血がドロドロ出ていた。
悪魔王は血を吐きながらもレアルに言った。
「生きろ…。」と…。
ゼルキルムは腕を悪魔王の腹から抜き、
フラフラ歩き出し、やがて少し離れると「今度こそ…悪魔界の終わりだ…!!」と言い、
重傷を負いながらその場から消えた。
僕と真司は崩壊した悪魔城の門をくぐり、奥に進んで行くと、
そこには泣いているレアルと血を出しながら倒れている悪魔王がいた。
僕は悪魔王を見て愕然とした。言葉も出なかった。
真司と僕はレアルに近づいた。
レアルはずっと泣いていた。
拳を地面に当てながらずっと…ただ…泣いていた……。
数日後。
悪魔城は建て直しされ、名付けて新・悪魔城になった。
そして悪魔王 デスターヌの墓は城の隣に造られた。
たった一人の悪魔の命を救った王として、立派な最期を告げたのだ。
レアルは葬式でも泣いていた。
昔からレアルと悪魔王はいつもいっしょで親子みたいだったとマースさんから聞いたことがある。
レアルは泣きながら「ワタシのせいで…悪魔王は…。」と自分を恨んでいた。
葬式はレアルが最後までずっと残っていた…。
墓の前でずっと泣いて…、ずっと立っていた。
偉大なる王の墓の前に…。
その夜。
人間界の学校の屋上にゼルキルムとラーシがいた。
ラーシは言った。
「あのデスターヌをよく倒せたね。
その傷じゃあ一週間は安静にしないと治らないぞ…。」
ゼルキルムはラーシを睨みこう言った。
「三日だ…。三日で傷を治し、
この傷が完治したらすぐに悪魔界を侵略する。」
と言い、
ゼルキルムとラーシは消えた。