152話 現れた黒幕
「ワタシが、かつて“最強の魔術師”を封印した者……スフォルザントだ」
と黒コートに身を包んだ男が僕に言った。
「あ……あいつが、死神を創りだしたのか……!!」
と朱希羅は言うと、僕はその黒コートの男に言った。
「一体、何人の悪魔王候補を殺してきたというんだ!!お前たちの仲間だったカルラまで躊躇なく殺しやがって!!」
するとアルべラム大臣が僕に言った。
「殺した?ちがうよ、彼は新たな存在として死神になったんだ」
「死神になるだと!?どういうことだ!?」
と天真はアルべラム大臣に聞くと、僕が天真に答えた。
「カルラが言っていた……。死神は敗者の首を斬り、魂を抜き取る。その抜き取った敗者の魂を死神界で転生させるんだ……死神にな……」
僕は天真に説明すると、黒コートに身を包んだ男、スフォルザントが僕に言った。
「良く知ってるじゃないか。まぁ、もはやカルラなど興味は無いがな」
するとルリがスフォルザントに言った。
「カルラはあの日からずっと自分を恨んでいたのよ!貴方を酷い目合わせた自分を!!それなのに貴方はカルラを捨て駒だとでも言うの!!?」
するとスフォルザントはルリに手を向け言った。
「使えない駒はただの捨て駒だ」
次の瞬間、ルリは勝手に宙に浮いてしまった。
「ルリ!!」
と江川は宙に浮いたルリを見て言うと、ルリは薄い巨大な手で身体を握られていた。
その巨大な手はスフォルザントの黒コートの中から伸びていた。
「お前も知っているはずだ。魔神に選ばれし三悪魔の二つの運命を。呪憎裏を解き、普通の悪魔として成長するか……、呪憎裏を解かず永遠に小悪魔として生きていくか……。誰もが成長したいと思うだろう。だが、呪われし小悪魔の呪憎裏は犠牲を生み出す。お前の場合は犠牲を出さず呪憎裏を解いた。不公平ではないか?先代憎まれし小悪魔 ルリ?」
とスフォルザントは言うと、ルリはスフォルザントに言った。
「不公平……?えぇ、確かにアタシの呪憎裏は何も犠牲を出していないわ……。だから何なのよ?」
「そうだ。何も犠牲が無い。だからここで、俺が犠牲を出してやる。お前の呪憎裏の犠牲は……お前だ。ルリ」
とスフォルザントは言い、ルリを巨大な手で握りつぶそうとしたとき、江川がスフォルザントに向かって攻撃を仕掛けた。
「やめろォ!!!!」
と江川は言い、スフォルザントにパンチを放った。
しかし、スフォルザントは何も触れずに江川を神殿の壁に吹っ飛ばした。
「グハッ!!!」
と壁に衝突した江川は一瞬、気を失ったが、またすぐに取り戻し立ち上がった。
「か……隗!?」
と巨大な手で握られているルリは言うと、江川はスフォルザントに言った。
「そいつに手を出すな!!」
するとアルべラム大臣がスフォルザントに言った。
「スフォルザント様。三代目悪魔王たちを呼んだのは戦いをするためではございません。どうか気をお静めください」
するとスフォルザントの黒コートの中からドス黒い怪物のような手が現れ、アルべラム大臣の首をつかみ言った。
「アルべラム。貴様、いつからワタシに指示できるような立場になったんだ?」
「あ……ぐッ……す……すいま……せ……」
と首を握られているアルべラムは必死に謝った。
「いいか、お前たちは俺の言うことだけを聞いてればいいんだ。ワタシに意見するな」
とスフォルザントは言うと、アルべラム大臣の首から手を離した。
「隼人……こいつを生かしていい訳ないな!」
と真司は邪神の弓矢を構え言うと、僕は悪魔の継承で悪魔化し言った。
「あぁ、スフォルザント!!お前はここで倒す!!!」