150話 繋がる心
「すげぇ……兄さんのラーシはまだ小悪魔で、弟のラースって奴はもう大人の悪魔なのか!」
とマースさんは笑いながら言った。
「仕方ないだろ。呪憎裏で成長を止められてるんだから……」
とラーシはマースさんに言うと、僕はラースに聞いた。
「協力してくれるって本当か?」
「あぁ、っていうか君たちと僕の条件が合うから協力しようよっていう意味だ」
「条件?」
と僕は聞くと、ラースは答えた。
「僕は悪魔界で殺し屋をやっている。で、今回の暗殺依頼のターゲットがアルべラム大臣だったんだ。ちょうど悪魔界のボロイ病院に行ったら、松田隼人という人間がアルべラム大臣を倒すなど言ってた。と顔面が醜い医者が言ってたんだ」
「なるほど……そういうことか……」
とラーシは言うと、天真がベットから起き上がり僕に言った。
「俺たち天使も……お前に協力するよ。隼人」
「て……天真!ケガは大丈夫なのか?」
と康彦が天真に言うと、天真は答えた。
「あぁ、大丈夫だ。隼人。お前は敵だった俺を友達と信じてくれた。だから、俺は友達としてお前を守りたい!」
「あぁ、ありがとう天真……!!」
と僕は天真に言った。
アルべラム大臣を倒し、レアルの記憶を戻す。
この目的のために皆の心は一つになった。
そして、ついに三日後。
僕たちは悪魔界のボロイ病院で集合する予定だった。僕はボロイ病院に行くと、もうすでに真司と黒鳥とマースさん、天使の皆に魔神に選ばれし三悪魔の三体の小悪魔とラーシの弟のラース。そして朱希羅がいた。
「……江川はまだ来てないのか?」
と僕は真司に聞いた。
「あぁ、遅いな。まぁお前も遅かったけど……」
と真司は言うと、道のど真ん中にいきなり黒い箱が現れた。
「来たぞ!」
とマースさんが言うと、その道に腐った卵のような臭いがする煙が充満した。
「くっせー!!」
と聖弥は言うと、その煙の中から三台のヘリコプターが現れた。
「なんだ?このヘリ!?」
と真司は言うと、そのヘリの中から江川とルリが現れた。
江川はこの前とは全く別人のような目つきをしていた。
「遅くなってすいません。皆さん。このヘリは俺の家族が使っている物です。これで山の頂上まですぐに行けます」
と江川は言うと、マースさんは言った。
「江川……お前ってお金持ちの家なのな……」
するとルリが言った。
「じゃあさっそく行きましょ!その高い山の頂上の神殿に!」
僕は皆に言った。
「さぁ、皆出発だ!!」
そして僕たちは悪魔界の最も高い山に……決戦の舞台となる山に向かって行った……!!