149話 仕事依頼
スタジアムには僕とアルべラム大臣とデューラしかいなかった。
アルべラム大臣がステージ上にいた僕に話しかけてきた。
「まず悪魔王決定おめでとう。これからは君がこの悪魔界を導く存在だ。さっそくだが君に仕事をしてもらいたくてね」
とアルべラム大臣は僕に言ってきた。
「仕事だと?アルべラム大臣……お前は何を企んでいる?レアルの記憶を消したのもお前の魔法だろ……!?」
と僕はアルべラム大臣に
「そんなことはどうでもいい。で、その仕事の内容だが……」
「どうでもよくない!!レアルの記憶を元に戻せ!!さもないとお前をここで倒すぞ!!!」
と僕は悪魔の継承を身に着け言った。
「大人しく話を聞いてくれ。松田隼人君」
とアルべラム大臣は言うと、僕はいつの間にか大蛇によって身体を縛られ、動けなくなっていた。
「なにッ!?クソッ!!動けない!!」
と僕は言うと、僕はスタジアムを大量の目玉でできた結界が覆っているのに気付いた。
「ワタシの幻眼の指輪の幻覚で創造した大蛇だよ。なに殺しはしない。安心したまえ」
とアルべラム大臣は言うと、仕事の内容とやらを話した。
「三日後……この悪魔界の最も高い山にある神殿に来てもらいたい……。そこで仕事の内容は詳しく伝えよう」
「今伝えろ!そこで俺たちを殺すんじゃないのか!?」
「いいや、殺しはしない。それに今伝える気は無い」
「なんだと!?そもそも悪魔界で一番高い山ってどこだ!?」
するとデューラが僕に言った。
「悪魔界とは人間界とよく似ていて、まるで鏡の世界と言っていいほど似ているのです。あなたの世界……人間界の一番高い山はなんですか?」
「人間界の一番高い山だと……?まさか、エべレスト山!!?」
「ほぅ、人間界ではエベレスト山と言うのか……変わった名前だな……」
とアルべラム大臣は言うと、大蛇に拘束されている僕は言った。
「わかった。三日後そこに行こう……」
「フッ、素直が一番だな」
というと僕を拘束していた大蛇が消え、目玉でできた結界が幻眼の指輪の中に入っていった。
「では、待っているぞ」
とアルべラム大臣は言うと、デューラと共に消えてしまった。
「アルべラム大臣……そこがお前の最期となる場所にしてやるッ!!!」
と僕はひとり言を言い、黒い箱を使い人間界の人間界に転送した。
「---という訳だ」
と僕は病院にいる仲間たちに伝えた。皆ボロボロだった。江川はあまりケガをしていないがすごく落ち込んでいた。
「どうした江川?何かあったのか?」
と僕は江川に聞くと、江川は答えた。
「いや、何でもない。少し風に当たってくる……」
と江川は言い、病室を出て行った。
「……よほど朱希羅の父親に負けたのが悔しかったんだな……江川の奴……」
とマースさんは言うと、僕はマースさんに聞いた。
「朱希羅の父親ですか!?」
「あぁ、矢崎 閻と名乗り、朱希羅と同じ赤髪の男だった。その男は朱希羅でも天真でも江川でも太刀打ちできない強さだった……」
「そんな……朱希羅の父親が……まさかそんな奴だったなんて……。昔、朱希羅は父親に復讐しようとしていたが、もう朱希羅の父親は倒すしか……」
と僕は言い、ベットで寝ている朱希羅を見た。
「さて、松田隼人。レアルの記憶を戻すにはアルべラム大臣を倒すしか方法は無いが……。三日後そこにお前は行くのか?」
とラーシが僕に聞いてきた。
「あぁ、そこでアルべラム大臣を倒す!」
と僕は答えると、ラーシは僕にはっきりと言った。
「そうか、だが今のお前ではアルべラム大臣に勝てるかどうかわからないぞ」
「なんでだ?俺は悪魔の継承の覚醒した力を手に入れ、究極悪魔化まで使いこなすことができた!なのになぜ倒せないと宣言できるんだ!?」
「アルべラム大臣は強い。お前が今まで戦ってきたゼルキルムや松田狩武とは違ってな」
「だが倒せる可能性はあるはずだ!諦めたらそこでおしまいだろ!?」
「その戦いで死ねば全ておしまいだぞ!」
とラーシは言うと、僕は何も言えなくなってしまった。
「いいか?お前はあくまで人間なんだ。無茶はするな。じゃないと死ぬぞ」
「俺は死なない。いや、死んではいけない。だから……!!」
「……確かに今の松田隼人じゃあ、アルべラム大臣には敵わないね」
と謎の悪魔が窓から病室に入って来た。
「だ……誰だ!?」
と聖弥は言うと、その悪魔は答えた。
「この小悪魔、ラーシの弟……ラースだ」
「やっと来たかラース……」
とラーシは言うと、ラースはラーシに言った。
「まだ呪憎裏解いてもらってないのか……。チビのまんまだね、兄さん」
「うるさい」
とラーシは言うと、ラースは僕に言った。
「松田隼人、アルべラム大臣の討伐。我々兄弟も協力しよう」