146話 解放……!!!
「なんて奴だ……矢崎 閻……!!」
とスタジアムの地面に倒れ込んでいる江川は言い、江川は戦闘不能状態だった。
閻がスタジアムの放送室に向かって歩きながら、江川に言った。
「江川君。命が欲しいのならば、二度と俺たちの邪魔をしないでくれたまえ」
江川はその言葉に何も言い返せなかった。下手に何か言うと殺されてしまうからだ。
閻はそのままアルべラム大臣がいる放送室へと歩いて行った。
その放送室では……。
「………やっぱりわかりません」
とデューラがソファに座りながらアルべラム大臣に言うと、アルべラム大臣は聞き返した。
「何がだね?」
「松田隼人です。松田隼人に勝機があるとはどうも思えない。鬼神化が消え、十本の剣を構えているカルラには手も足も出せない。そんな松田隼人に勝機があるとは思えないんです」
「確かに……松田隼人が悪魔化と鬼神化しかできないのならな……」
「………!?松田隼人にもう一つの変身があると?」
「あぁ、彼はこの悪魔王選出試験で一度も発動しなかったがな……」
「何なんですか?その変身は……?」
「おそらく悪魔化や鬼神化とはケタ違いの強さになる技だ……。かつてこの技を使えたのはただ一人……」
「まさか……」
「そう、究極悪魔化だ」
アルべラム大臣はそう言うと、放送室にある男が入って来た。
「アルべラムだな?」
「お待ちしておりました。矢崎 閻さん……」
「この子は?」
閻は放送室のソファに座っている少年の悪魔、デューラを見て言った。
「この悪魔王選出試験の審査委員のデューラ・フォン・シュタインです。どうぞデューラとでも呼んでください」
「デューラ・フォン・シュタイン……聞いたことない名だな……」
と閻は言うと、アルべラム大臣は答えた。
「あの方の計画通りなら6体の死神は観客の魂を……閻さんからワタクシにスフォルザント様からの伝言をお聞きするのですが……」
「あぁ、伝言をもらってきた」
ステージ上ではカルラがズンズン僕に近づいてきていた。
「終わりにしましょう。隼人さん」
「くっ!!!」
と鬼神化が解けた僕は少しずつ後ろに下がって行った。三割は悪魔化してるが十本の剣を持つカルラには悪魔化では勝てない。
僕は少しずつ後ろに下がっていると、いつの間にかステージを囲む壁と背中がぶつかる距離まで下がっていた。
「フフフ、CHECKMATEです。隼人さん」
とカルラは言い、逃げ場がない僕に向かって左手に持っている四本の剣を振り下ろした。
(仕方ない!!もうリスクなんて関係ねぇ!!じゃないとここで死ぬ!!)
と僕は思うと、荒々しいオーラが僕を包んだ。すると僕の髪の色は白銀になり、髪と同じ白銀の色の角が生えた。眼の色は紅く、歯は鋭く牙のようだった。
その究極悪魔化した衝撃で僕の目の前にあった四本の剣が粉砕してしまった。
「なに!?剣が崩れた!!?」
カルラはすぐに僕から距離をとった。
(バカな……これは鬼神化じゃない……まだ力を隠していたのか……!?)
「あれが究極悪魔化ですか……」
とデューラが放送室の窓から僕を覗きこんでいた。
「これをスフォルザント様はお前に……」
と閻は言い、アルべラム大臣にある薬のようなものを渡した。
「これは……」
「これを使うかどうかはアルべラム。お前次第だ」
と閻は言い、その放送室から消えてしまった。
ステージ上では究極悪魔化した僕がカルラに言った。
「四本の剣が粉砕する威力の肉体強化……いや、悪魔化……。なんていう力……。松田隼人さん。あなたに栄光を称えましょう。ワタシの剣を破壊したのはあなたが初めてです」
とカルラは言うと、アルべラム大臣が手にした薬と同じような薬を手にした。するとカルラはその薬をなんだ。
「う……うおおおおおおおおお!!!!!!!!」
とカルラは言うと、カルラの皮膚の色は緑色になり、翼が生え、四本の剣を持っている右手が剣と混ざり合い、剣の刃がカルラの右手から突き出ていた。足のシューズに装着していた剣はカルラの体重に耐えられなくなり、ヒビが割れ、砕け散ってしまった。
「ハァハァ……ククク、ワタシの剣を破壊したのはあなたが初めてです---」
とカルラは言うと、もう悪魔とは言えない姿になっていた。そう怪物だった。
「---そして、最後の者となる!!!もう手加減せんぞ!!松田隼人ォ!!!!」
「究極悪魔化をなめんなよ。悪魔の継承の本当の力を見せてやる!!!」
ついに隼人VSカルラ、決着の時きたる!!!